何故、熱川にバナナワニ園なのか?

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 熱川バナナ・ワニ園ですが、普通の観光案内は多くのコンテンツが存在します。そこでもう少しマニアックな視点で熱川バナナワニ園を見ていきたいと思います。

 熱川の街を歩けば必ず1つや2つの温泉櫓が視界に飛び込んできますが、この熱川の温泉こそがここにバナナワニ園が存在するきっかけといっても過言ではないのです。

 ちなみに熱川の街と言えば意味は通じますが、実は住所、町名に熱川という名称は存在しません。この熱川を含め、北川の少し北側位までの広い範囲は「静岡県賀茂郡東伊豆町奈良本」という住所になります。

 ここで少し熱川、バナナワニ園から離れこのイラストを見て頂こうと思います。これはボイラーを用いた暖房の略図になりますが、古くは蒸気機関車が牽引していた客車列車から、内燃車(自動車)の暖房、セントラル空調のビルやホテルの暖房なども全てこんな原理です。

 ボイラーでお湯を沸かしてポンプで放熱器へ送ってあげると放熱器で熱を放出して周辺は暖かくなります。これが暖房効果になりますが、お湯は冷めてしまいますので、再びボイラに帰り暖め直してます。

 これが暖房のおよその原理なのですが、ボイラーを温めるには石炭なり石油が必要なコストになります。(自動車はエンジンの排熱を利用しています。)しかし熱川には100℃近い温泉が余る程湧いていますので、温泉を放熱器に通せばボイラー不要、自然の力だけで暖房を賄うことが出来ます

 そこで温泉を活用した温室を作ってバナナ園を作ろう!それだけじゃインパクトがないから熱帯のワニも飼育しよう!という感じで出来たのが熱川バナナワニ園なのです。ちなみにバナナとワニどちらが先かというと今書いた通り、バナナが先です。

 こちらの写真の温泉櫓は温泉街で撮影したものではありません、バナナワニ園の敷地内で撮影したものです。敷地内に温泉櫓が存在し、この噴き出す温泉が園内の暖房、温室の熱源を担っている訳です。

 こちらが植物園のハウスの中の足元です。フィンが付いている管が放熱器でこの中を熱い熱川の温泉が通っている訳です。そして放熱器からその熱が発せられ、じんわり周辺が温まります。

 そしてこちらはフィンの半分が覆われた放熱器です。

 そしてこの放熱器は完全に覆われています。

 聞いた話ではなく推測ですが、恐らく細かい温度設定は換気で行うとしてなるべく温度を上げたい場所では全裸フィン、温度を抑えたい場所では半カバー、全カバーをして放熱を抑えているのではないかと推測しています。場所によっては筒のみであまり放熱させない放熱器もありました。

 何故ここにバナナワニ園があるのか、その理由を知った上で園内の設備を見てみるとまた別の意味での興味がこの熱川バナナワニ園に生まれてきます。


 ところで熱川のことをいろいろ調べていたら「図書館所蔵 上田彦次郎ガラス乾板 デジタルアーカイブ」というサイトに出会いました。そこにオープン前後のバナナワニ園の写真が掲載されています。現在は山の上の方まで多くの温室がありますが、当時は入口入ってすぐの一か所だけだったようです。上を走る国道の熱川大橋もまだありません。

 熱川に関してはいでゆひもの店さん前の熱川橋のところや、ふたりの湯宿 湯花満開さん前の濁川の写真も掲載されていて、「昔はこんな感じだったのか」と興味深く拝見しました。

 いずれの写真も昭和30年頃の撮影とされていますが、バナナワニ園の開園が昭和33年、熱川大橋の竣工が昭和38年ですからその間に撮影されたものと推測しています。

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