自分でフィルムを現像してみよう(機材準備編)

 デジタル全盛の今日ですが、レトロな雰囲気や一発勝負のどう写っているが現像するまで分からない玉手箱感など、フィルムカメラの面白さが見直されています。

 そんなフィルムカメラでドール写真を撮ったら自分で現像したくなり自家現像に挑戦してみました。薬剤の入手ではカラーの方がやや敷居が高いですが、今回紹介する道具さえ揃えれば、自宅でカラーでもモノクロでも現像が可能ですので、まずは必要な機材を紹介したいと思います。

 まず「現像は自宅では無理」と考えている人の多くはこんな先入観を持っているのではないでしょうか?実は私自身がそうでした。

1・暗室を設置するスペースも金もない

2・あの暗室の酸っぱい匂いは許されない

 しかし結論から言うとフィルム現像だけならこの二つを気にする必要は全くありません。1の暗室ですがフィルムの現像で暗所が必要なのはフィルムをリールに巻き付け缶の中に装填する間だけです。これは下で説明するダークバッグ内で作業すれば事足りますので暗室は不要です。

 また写真の現像と言って想像する酢のようなあの匂いは停止液の匂いですが、モノクロは停止液を使用せず作業が出来ますし、カラーは停止液を使用しません。モノクロの定着液、カラーの漂白定着液には少し匂いがありますが、風呂場で作業して換気扇を数分回せば消えるレベルです。つまり匂いの問題もありません。

 プリントとなると暗室など大掛かりな環境が必要になりますが、フィルム現像なら場所も取らずに可能です。フィルムスキャナを手に入れればフィルムの作品もWEBで作品の公開も可能です。また現在のお店のDPEもデジタルプリントですからフィルムスキャナでスキャンしてインクジェットプリンタでプリントすればフィルムの粒状感の残る、お店のプリントに近い写真になります。

 つまりベールに包まれている故に敷居が高く感じたフィルム現像の敷居はそれほど高くありません。思いつく大きな問題がクリアできたところで早速最低限の機材を見てみましょう。

 これがダークバッグです。黒い袋の中に両手を入れて作業するツールです。暗所すべき作業をこの中ですれば暗室は必要ありません。フィルム現像ではフィルムをリールに巻き現像タンクに収納する作業をこの中で行います。やり方はのちほど実践編で紹介いたします。

 現像作業で初心者にとって一番の難関がこのリールにフィルムを巻く作業だと思います。写真は明るい場所で行っていますが、実際はダークバッグの中で指先の感覚だけを頼りに作業しなkればなりません。

 そこで初心者は写真のようなプラリールの製品がオススメです。フィルムの端を差し込んだらあとは写真のように丸い部分をカチャカチャ(ルービックキューブを回すような感じで)動かしているだけで勝手にリールに巻いてくれます。

 私はパターソン製のブローニーフィルムも出来るユニバーサルタイプを購入しましたが、35mmフィルムしかやらないなら35mm用の方がコンパクトで価格も安いです。またLPLからも似たような製品が発売されておりどちらを使用しても構いません。

ブローニー&35mm共用


35mm用


 次に小物を揃えていきます。カラー、モノクロ現像で下の様なものを購入しておくと良いと思います。その他薬剤を補完する空きペットボトル、薬剤を戻す漏斗(ろうと)なども必要です。

 またフィルム乾燥時に使用するクリップは洗濯ばさみでも良いですが、「LPL フィルムクリップ 」という専用品もあります。温度計やタイマーなどは部屋にあるものでも代用できますので適宜選択して揃えてみてください。

 薬剤と水を混ぜて作った各薬剤(使用済み薬液)は500mlペットに保管すると良いかと思います。また現像液、定着液は1Lの水と混ぜ、ドライウェルは2Lの水と混ぜるのでそれぞれのペットボトルも用意しました。

 専用品もあり、専用品の方が空気に触れにくいなどのメリットもありますので必要に応じて専用品も検討しても良いと思いますが、趣味ならとりあえずペットボトルでも大丈夫そうです。

 写真にあるモノクロ用の薬剤については下の薬剤の所で紹介します。





 最後に薬剤ですが、モノクロとカラーで異なりますのでそれそれやりたい方の薬剤を揃えてください。写真はカラー用の薬剤です。

モノクロ


 薬剤はこの二つだけで十分です。冒頭お話した通り停止液は使用しません。

カラー

 今回購入した薬剤はSakuraネットさんで「ORIENTAL CNL-N1R発色現像補充液 5L×2(フジ名称:CN-16L)」「ORIENTAL BAP-2R漂白定着補充液 10L×2(コダック名称:RA-4RA)」を購入ししました。Sakuraネットさんですが、「サクラカラー」とか「小西六フィルム」とかは全く関係ない薬剤の専門店さんです。

 両方買うと1万円少々、量もかなりになりますのでこの辺がカラーの敷居の高さでしょうか。ここに聞いた先を書くと迷惑がかかるので名前は伏せますが、信頼できそうな所に聞くと薬剤は混ぜなければ1年位は持ち、冷暗所なら2年位持つとのことです。

 1年で使い切ると考えても一月千円以下で遊べますし、一月二本以上現像すればお店に出すより安くなりますし、なにより自分でやるのが楽しいと自分を納得させるのが良いのではないでしょうか。

 初期投資は少々かかりますが、揃ってしまえばお店へ現像を出すのと比べ価格も格段に安くなりますし、いつでも好きな時に現像が出来ます。そして何より自分の現像で絵が浮き出てくるという現象がたまらなく感動で楽しいです。

 フィルムカメラも価格が下がっていますので興味を持った方は挑戦してみてください。(万一のことがあっても責任は取れませんので、大切なフィルムはお店に依頼してください&お約束ですが、自己責任でお願いします)

 次回はモノクロ、カラーに分け作業編をお届けします。