篠ノ井線 姨捨駅 スイッチバックの解説

 前回ホームから見る展望の素晴らしさについて紹介した篠ノ井線の姨捨駅ですが、もう一点鉄道の運行上で「スイッチバック」という見所もあります。かつては数多く存在したこのスイッチバック構造も少しずつ数を減らし現存するものは少なくなってきましたのでその様な点からも貴重な駅です。

DETA : 21mm(31mm)、1/250、f16、ISO200、WBオート、C/I人物

 前回のこの写真を見た時、勘のいい読者の方なら「何故緑色のラインがジグザグ状なの?」と疑問に思ったかもしれません。この駅に停車して次の駅に進む為にはこの駅銘板通り列車はジグザグ状に進む必要があります。

 ここで細かいところは除いて姨捨駅の構内図を見て頂きます。赤い線が本線で長野から松本へ坂を登って行く感じです。通過列車は普通に赤い線を長野から松本へあるいはその逆と普通に進みます。

 しかしご覧の通り駅が行き止まりになっていますので、駅に停車する列車は引き上げ線を活用しながらジグザグ状に駅に進入しなければなりません。ピンクの①~③の矢印は後ほどの解説で使用します。

 何故この様な複雑な構造になっているかと申しますと、駅は限りなく平坦な場所が良いので坂の途中に作りたくないというのが一番にありまして、あとは退避スペースなど色々な理由が複合してあります。またスイッチバックが連続する箱根登山鉄道やかつての奥羽本線は急坂を克服する為にスイッチバックを設置しています。

DETA : 16mm(24mm)、1/45、f11、ISO200、WBオート、C/I人物

 長野から松本へ向かう『特急しなの』が通過していきます。通過列車は普通に本線上を通り過ぎていきますので今回話題のスイッチバックは使用しません。

 特急列車の後方に赤信号が2つ見えると思いますが、これが姨捨駅への進入を許可する上り線用の場内信号機です。この信号機の上側の信号機が緑(進行)なら、間もなく通過列車が通り過ぎて行きます。そして下側の信号機が黄色(注意)なら間もなくこの駅に停車する普通列車がここを通ります。

DETA : 31mm(46mm)、1/60、f11、ISO400、WBオート、C/I人物

 それでは実際にスイッチバックの運用方法を解説していきます。今私達は松本から長野に向かう列車でここ姨捨駅に到着しました。先程の構内図で言うとピンクの①の矢印のように進んできました。そして客扱いを終わらせたら列車はバックで矢印②の様に引き上げ線へ進みます。

 写真は矢印②の途中ですが、この様に標識灯(尾灯、前照灯)を切り替えずそのまま後進するのを『退行運転』と呼びます。ちなみに運転士の位置はそのまま、標識灯を切り替えて後退するのは『推進運転』と言います。かつて上野駅発着の夜行列車の回送で行われていたのが『推進運転』です。

DETA : 31mm(46mm)、1/60、f11、ISO400、WBオート、C/I人物

 列車はそのまま本線には入らず引き上げ線へと吸い込まれていきます。

DETA : 31mm(46mm)、1/60、f11、ISO400、WBオート、C/I人物

 そして③の矢印の様に再び方向を変え(2度目なので今度は前側が前になる)一路長野を目指します。本線の勾配が急なのでほぼ平坦に作られた駅構内とは僅かな距離ですがこれ位の標高差になります。

DETA : 39mm(58mm)、1/90、f11、ISO400、WBオート、C/I人物

 長野から松本へ向かう列車は矢印は逆になりますが、③で一旦引き上げ線に入り、『退行運転』で反対側のホームに横付けされます。そして松本へはそのまま前進で本線に入り松本を目指します。

 車内で乗っていた電車がいきなりバックを始めたら多分ビックリすると思います。このスイッチバック駅ではそのようなことが起こる訳ですが、「列車がバックした、面白い!」で終わらせてしまうと楽しさ半減です。ちゃんと知識を付けてこの駅を訪れると更にスイッチバックが楽しめるかと思いますので、この姨捨駅訪問の前には是非このページをブックマークしておいて頂けると何かのお役に立てるかと思います

■ 今回の記事に使用した機材

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PENTAX KPicon(ビックカメラ)
他の取扱店:Yahoo!ショッピングAmazon楽天市場など
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HD PENTAX-DA 16-85mmF3.5-5.6ED DC WRicon(ビックカメラ)
他の取扱店:Yahoo!ショッピングAmazon楽天市場など

 前回も書きましたが、今回の姨捨駅行きは青春18きっぷ利用の日帰り紀行です。この様な乗り換えの多い鉄道旅行旅ではAPS-Cサイズのカメラ+ズームというコンパクトさが重宝します。今回の様な説明に使う写真は背景もそこそこ重要ですのでf11~f16位まで絞って撮ると良いと思います。

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