大糸線(JR西日本区間)

 北陸新幹線開通と同時に平行する北陸本線がJRから切り離され第三セクター化され、JR西日本の離れ小島的存在になってしまった大糸線ですが、このJR西日本区間にはこの線ならではの魅力が詰まっています。

 全長35km程度の区間を約1時間かけて走るJR西日本の大糸線、今日はその車窓の魅力をお伝えしていきたいと思います。

 大糸線はここ南小谷駅から南側がJR東日本管轄で直流電化が完了しています。この区間は2両以上の電車列車が走り、特急『あずさ』も毎日一往復南小谷駅に顔を出します。そして今回ご案内する北側はJR西日本が管轄していますが、電化されておらずキハ120が単行あるいは2両で走っています。

 大糸線というと線区上は松本-糸魚川となっていますが、ここ南小谷を境に南側と北側では鉄道会社も異なりますし、列車の運行形態も異なりますので、沿線の雰囲気は全く異なります。

 糸魚川からの普通列車が3番線に入線してきました。この列車が折り返し私達の乗る糸魚川行きになります。

 使用車両はキハ120-300の354号です。全長16mの小柄なディーゼルカーです。

 私達を乗せた列車は16:23定刻に南小谷駅を発車しました。この線の見所はやはり何と言っても右に左に渡りながらも並行する姫川の景勝だと思います。山間の南小谷から海辺の糸魚川の方向に流れていく感じです。

 中土駅を出て暫くの場所にある県道114号のスノーシェッド。冬場は厳しい地であることがこの装備からも伺い知れます。この先平行する道路にはいくつものスノーシェッドを見ることが出来ます。

 今回は進行方向右側のボックス席を取りましたが、姫川はこの大糸線で幾度となく渡りますので、車窓は右側でも左側でも姫川を見ることが可能です。

 大糸線はトンネルの多い線区でもあり、山間の鉄道であることを実感します。実際南小谷から糸魚川まで約35kmの間で約500m標高差がありますので平均でも1000分の14の勾配となります。また曲線も多く糸魚川行は下り勾配を慎重に下っていくようなゆっくりした運行です。

 トンネルを抜けました。夏場ですとトンネル内の冷気で車体が冷やされますのでこの様にトンネルを抜けると窓ガラスが曇ります。冷たい飲み物の入ったコップに露が付くのと同じ現象です。

 平岩駅を過ぎると見えてくるデンカ 大網発電所です。平岩から小滝間に点在する発電所設備も迫力がありこの線の見所の一つだと思います。流れが急で水量が豊富でないと発電には適しませんから姫川がそういう川であるということなのでしょう。同時に平行するこの大糸線も険しい自然の中を走って行く線区ということが言えそうです。

 先程県道のスノーシェッドの話をしましたが、この大糸線も幾つものスノーシェッドを超えて進みます。スノーシェッドとは線路や道路に雪が溜まるのを防ぐ覆いで、吹き溜まりになって雪がたまりやすい場所や雪崩が発生しやすい場所などに設置されています。

 これで何度川を渡ったでしょうか。この様に蛇行する姫川と大糸線が幾度となく交差しながら糸魚川を目指します。この古めかしい鉄橋にも風情があると感じる方は絶対1時間この車窓を楽しめると思います。

 そして小滝駅を過ぎるとダム設備らしきものが見えてきます。

 これらの建物はおそらく黒部川電力姫川第六発電所関連の施設だと思います。

 険しい山間を抜け根知駅に到着。ここでは既に標高は100mを切っていますのであとは比較的平坦な糸魚川市内を走って終点の糸魚川を目指します。ここ根知駅は現在唯一列車交換(行き違い)を行っている駅です。

 右に見えるのは糸魚川から南小谷を目指す列車です。つまりこれから上り勾配とカーブの連続で今来た風景の中を南小谷駅を目指して走って行くのです。

 そして個人的に風情があって好きな頸城大野駅を定刻に出発、残り二駅で糸魚川駅です。

 定刻の17:20に糸魚川駅に到着。南小谷から約1時間の旅路ですが、脇を流れる姫川、数多くのトンネル、スノーシェッドからは自然の厳しさが伝わってきます。また平岩から小滝周辺に集中する発電所やダム設備も迫力があってお薦めの車窓です。

 標高差500mを駆け降りる大糸線は急カーブも多く始終エンジンを唸らせながら慎重に前へ進む感じもまたこの線ならではです。

 現在糸魚川で接続するJRの在来線は無く離れ小島的な雰囲気になっていますが、旧北陸本線の第三セクターを使えば直江津や富山へ出ることも可能です。是非北陸にお出かけの際、時間が許せばこの線ならではの車窓を楽しんで貰えれば幸いです。

■ カメラマン妹尾の機材一言

 今回の写真たちもGRⅢで撮影しました。今回は都内から富山まで列車を乗り継いでの旅でしたので、手軽なGRということでしたが、大糸線の車窓、姫川の流れる風景が美しく見たままの印象で写真にすることが出来ました。勿論レンズを複数本持っていきレンズ交換しながら写真撮影を楽しむのも一眼レフの醍醐味ではありますが、ポケットに入るコンパクト一台でふらっと旅に出るというスタイルもこれまた気楽で楽しいものです。

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