日中線記念館 展示車両編

 前回ご紹介した日中線記念館の奥にはキ287とオハフ61-2752が静態保存されています。今回はこちらの保存車2両を見てみたいと思います。

 まずはこちらキ287です。キ100型のラッセル車ですが、国鉄時代の車番ではそのまま100に車番を足していくような付け方でしたのでイメージ的にはキ100-187という存在になります。国内で176両が製造されましたが、258から275が欠番になっています。

 クサビ状の前頭部に前照灯、窓には旋回窓とまるで機関車のような風貌ですが、動力を持たない区分上は事業用車です。機関車に後ろから推してもらうことにより前頭部で雪を搔き分ける車両です。

 キ100型は最高速度が65km/hに制限されている為、車体には黄色1号の帯が巻かれ「キ」の前に小文字の「ロ」が表記されています。

 常備駅が「熱塩駅常備」となっていますが、現役時代に熱塩駅常備は考えられないのでここは静態保存に際して現在の保存地である熱塩駅に書き換えられたのではないかと思います。

 オハフ61との連結面から操縦室を撮影してみました。動力は機関車に推進して貰う形態ですが、ラッセル時は最前位になりますので運転席のような雰囲気ですが、動力がありませんので運転席でもないような不思議な雰囲気です。

 そして後方はサイドのウィング等を操作する機械室になっています。

 ちなみに前位の台車はTR42のばね機構を撤去したタイプで独特の形状をしています。鉄道模型をやっていると後位の台車は見えるのでTR41型が装着されていますが、前位はスペースがない関係上簡易的な台車が装着されていてどの様な台車が装着されているのか気になって覗き込んでみました。

 続いてオハフ61-2752を見てみましょう。日中線内はDE10による牽引でしたので暖房はSG(蒸気暖房)でしたが、東北本線内での運用時(ED75等の牽引時)はEG(電気暖房)が使える様電気暖房が引いてありましたので、車番は2000番台になっています。

 オハ61型の緩急車です。蜘蛛の巣が見られますが、屋根があることもあり車体の程度は廃線から30年以上経過しているとは思えません。一度化粧直しもされた様で2000年頃よりも状態が良い感じです。

 形状的には急行用のスハ43系の茶色版という雰囲気ですが、普通列車用として設計されましたのでシートピッチが狭く定員も8名多くなっています。外観では側面の窓が一つ多くなっています。

 中に入ってみると板敷きの床に背もたれもニス塗りの木と特徴的です。

 天井の丸蛍光灯、網棚が金網ではなく本物の網だったり懐かしさを覚える車内です。夏場の空調はエアコンなど無い時代で扇風機も設置されていませんから、窓を開け入ってくる風だけで暑さをしのいでいました。

 客室端部のスピーカーと車番表記

 まるで旧家の居間の様な懐かしい雰囲気を味わってもらいたい車内です。また現役当時の懐かしい雰囲気を再現できる様スピーカーから当時の車内で録音した音を再生できるスイッチも入口に用意されていますので音声と一緒に楽しんでも面白いかもしれません。

 そしてこの車両を見学したら是非見て貰いたいのがこの鎧戸です。現在は巻き取り式の遮光カーテンが主流ですが、当時はこの鎧戸を占めて直射日光を防いでいました。

 冒頭急行用のスハ43系と車体形状が似ていると申しましたが、スハ43系になりますと現在とほぼ変わらない巻き取り式の遮光カーテンに代わってしまいましたので国鉄型ではこのオハフ61が鎧戸で活躍した最後の客車になると思います。当時の車内設備という面からも大変貴重な保存車両です。

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