青函連絡船メモリアルシップ「八甲田丸」(3)

 前回、前々回と全3回でお届けしてきた八甲田丸の船内解説もいよいよ最終回です。今回は機関室、船楼甲板にある羊蹄丸に展示されていた展示物、そして外へ出て可動橋を見ていきたいと思います。

 これが八甲田丸のエンジンを集中制御していた制御室です。エンジンの状態がメータ、ランプで一目で分かるようになっています。スタンバイエンジン、ドライブプロペラーなどの甲板部からのテレグラフを受信してこの操作盤で機関系統を制御します。

 ここがエンジンルームです、制御室の少し後方にこの場所があります。

 八甲田丸の推進軸は左右2本ありますがそれぞれに4台のエンジンが装着され、エンジンは全部で8台ありました。通常は6台のエンジンで航行しますが、時化の時や速度アップの時は7台、8台で運行することもありました。止まっているエンジンは駆動しているエンジンと切り離しメンテすることも可能でしたので運行の効率化が図られました。

 制御室の前にあるエンジンは発電機用のエンジンです。

 洋上では電気を外部から供給して貰うことは不可能ですから、船内で必要な電力は全てここ発電機室で作られた電気を使用していました。発電機専用のエンジンで発電機を回して船内で必要な電気を発電していました。

 喫水線より下にある機関室の見学が終わったら再び船楼甲板に上がってきて来ます。かつてはジュータンが敷かれた普通船室部分にはかつて羊蹄丸に展示されていた展示物が飾られています。

 海の幸が美味しそうですが、食べられませんw。

 他にもこんな展示物がありました。

 舷門近くの展示物です。これらは羊蹄丸内の「青函ワールド」に展示されていた展示物ですが、羊蹄丸時代の様子は下のリンクに現役当時の写真があります。

 2014年で八甲田丸が就航50周年を迎えました。建造当時の船の耐用年数が18年でしたから今この船がこうして見られるのはある意味奇跡です。

 船内の最後に余談ですが、トイレの写真です。設備は変わっていますが、スペースは当時の物を利用していて廊下からの段差が当時のままの面影を残しています。見学施設以外にも当時の痕跡を探してみるのも面白いものです。

 外に出て船尾の方は公園になっていますが、当時の可動橋が残っています。ここを貨車が走り、扉を開けた八甲田丸の後方から車両甲板に車両を載せていました。潮の満ち引きや貨車が通ることによる傾きを調整しながら陸と船を繋いでいた貨車航送の重要な設備です。

 27年の歳月で一見外装は痛んではいますが、保存状態は良いと思います。八甲田丸共々この様な施設を今なお残していただけることに連絡船現役時代を知るものとしては感謝しかありません。

 青函トンネルが開通して27年が経ちますが、永らく北海道への輸送には欠かせない鉄道連絡船でした。その鉄道連絡船の歴史をこの施設で見ることが出来ます。青森に訪れた際は是非一度御覧ください。一見の価値はあります!

あわせて読みたい