熊ノ平信号場跡

 碓氷峠の熊ノ平信号場は横川駅と軽井沢駅の中間にあった信号場です。信越本線廃止後長らく立ち入りが出来ませんでしたが、平成24年には遊歩道も整備され、構内も上下線の中央に遊歩道が設けられ見学ができるようになっています。

 新線しか知らない私的にはここは客扱いをしない熊の平信号場なのですが、複線化される前は熊ノ平駅として客扱いも行っていました。熊ノ平駅として開業し、アプト運転が粘着運転に変わりその後複線化されたのですが、この複線化時に駅から信号場に降格しました。

 軽井沢方のトンネル。熊ノ平信号場はトンネルとトンネルの間に作った構内という感じで、駅時代には長編成を行き違いの為収容出来る長さが確保出来ませんでした。そこで突っ込み線と呼ばれる側線が必要でしたが、その名残が一番左のトンネルです。

 中央のトンネルが下り線、右のトンネルが上り線ですが、アプト時代の旧線では中央が本線、右が上り引き下げ線として使われていました。

 信号場構内跡は上下線の間しか歩くことは出来ませんが、現役当時の姿ほぼそのままで残っていますので色々と見ていきたいと思います。

 既に廃線からほぼ四半世紀が経とうとしていますが、太陽光を浴びて二本のレールが輝いていました。まだブロワーを響かせてEF63が峠を登ってきそうです。

 同様に当時のままの状態に張られた架線も美しく輝いており、廃線から四半世紀が過ぎたようにはとても見えません。

 上りホーム跡には出発用の中継信号機も残っています。

 また登坂時には多くの電力を必要としますので、駅構内には変電所の設備もありました。

 ここから直流1500Vの電気が供給され、機関車は軽井沢を目指して碓氷峠を登っていきました。

 かつては信越本線の一区間でしたから、最長12両編成の特急を2両のEF63が推す14両編成がここを行き交っていました。

 そしてこちらが横川駅方のトンネルです。本当にトンネルとトンネルの谷間めいいっぱいに構内が展開されている感じです。

 旧線跡です。左側のトンネルは旧線時代の本線で現在はめがね橋や丸山変電所前を経て横川駅近くまで遊歩道が整備されています。そして右側のトンネルが突っ込み線に入った列車を引き出す際の引き下げ線の跡になります。こちらのトンネルは現在立ち入り禁止です。

 現在は新幹線が開業すると並行する在来線はJRから切り離されてしまいます。そうした理由から信越本線もしなの鉄道となりましたが、1000分の67という急勾配の為難所とされていた横川-軽井沢間は廃線となりました。

 しかし前日までは何本もの特急が行き交っていた本線ですから、こうして廃線から四半世紀経った今見ても雄大な光景が目の前に広がります。

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