三菱大夕張鉄道 車両保存地(2)

 前回に続いて「三菱大夕張鉄道 車両保存地」の様子を見ていきたいと思います。今回は前回最後で中に入ったスハニ6の室内からご案内していきたいと思います。

 まずは客室部分です。国鉄のオハ61型と同じ様な木の背板で内装はニス仕上げです。また床も木張りで旧家の中の様な雰囲気です。シートは青色ですが、モケットではなくビニールです。天井を見ると照明は白熱灯のグローブ灯、そして網棚の網は金属製ではなく本物の網です。

 昭和末期まではここだけでなく地方へ行けばこの様な車両も見ることが出来ました。

 更に奥、前方へ行くと現役当時は荷物室だったスペースです。貨車や荷物車を1両連結する程ではないものの線区に荷物輸送が必要な場合この様な半室荷物車の合造車が重宝されました。現在は展示スペースに利用されています。

 通勤通学に多くの人が利用したであろうこの車両、窓の景色が流れることはなくなりましたが室内の懐かしい様な雰囲気は当時のままです。

 続いて2両目のオハ1を見ていきたいと思いますが、その前に連結面を。一般的な列車にはある幌がありませんが、これは昭和末期の写真を見ると現役当時から無かったようです。またスハニ6の妻面を見るとテールランプの有りそうな箇所が溶接で塞がれていますが、これも昭和末期の現役当時の写真を見るとこの状態です。

 右下の定員が夏104、冬96とありますが、これは冬季にダルマストーブを設置する為に8名分の座席を撤去することからこの表記になっています。

 こちらがオハ1の室内です。スハニ6と似たような雰囲気ですが、スハニ6では座席1ボックスに窓1つでしたが、オハ1は窓1つ半で1ボックスになります。

 そして3両目がナハフ1です。こちらは保存会の現在倉庫に利用されているようです。

 そしてその奥にはセキ1形のセキ1とセキ1000形のセキ2が連結されています。

 ぱっと見同じに見えてしまいそうな石炭車ですが、こういう撮り方をすると側板の補強の位置も異なりますし、台車の車輪もプレーンとスポークで異なったり形式が違う分差異があります。

 また敷地内には三菱鉱業バスで使用されていた三菱ふそうのMAR470も残っています。ヘッドライトの意匠やリベット留めの車体に時代を感じます。

 ホームに編成単位で並んだ保存車両、こんな角度から見ると現役ローカル駅に停車中の客車列車のようにも見えます。しかしこの鉄道が廃線になってからもう35年以上の月日が過ぎました。

 廃止前にはここ南大夕張駅は終着駅でしたが、昭和48年までは更に奥の大夕張炭山駅まで線路が続いていました。現在ホームに設置してある駅名板は昭和48年以前のまだ大夕張炭山駅まで営業していた頃の表記になっています。

 昭和62年の廃止以降一時は車両が脱線し荒れるがままの状態だったこれらの車両たちですが、現在は「三菱大夕張鉄道保存会」の皆様の活動によって大切に保存されています。かつてこの地に鉄道が走っていた証でもありますが、それ以上に木造車から改造を受けてと歴史を辿れば他車では替えの効かない貴重な車両たちばかりです。

 記事の様に日中は車内を見学することも出来ますので、夕張を訪れた際は是非中を覗いて昭和へタイムスリップしてみてください。また記事にも書きましたが、大変貴重な車両たちなので愛情を持って見学してあげてください。

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