大三元から始めよう

 「大三元」とは開放f値2.8の広角、標準、望遠のズームレンズを指し、PENTAX では「HD PENTAX-D FA 15-30mmF2.8ED SDM WR」「HD PENTAX-D FA 24-70mmF2.8ED SDM WR」「HD PENTAX-D FA★70-200mmF2.8ED DC AW」のレンズで大三元となります。

 これらの大三元レンズは写りは良いものの、高額で大きく重たいという印象があります。しかしこの3本があれば15mmから200mmまでの全ての画角を開放f値2.8で揃えられますので大変便利です。最近は単焦点レンズも大型化していますので、考え方によっては単焦点レンズを何本も買って持ち歩くのと比べて金額も安く、荷物も軽く出来ます。

 Limitedレンズに「smc PENTAX-FA31mmF1.8AL Limited」「smc PENTAX-FA 43mmF1.9 Limited」「smc PENTAX-FA 77mmF1.8 Limited」の3本があります。77mmこそ少し画角をオーバーしてしまいますが、画角だけで考えれば1段ほど暗くなるだけでこの3本を「HD PENTAX-D FA 24-70mmF2.8ED SDM WR」1本でカバーしてくれます。いちいちレンズを付け替えなくてもこれ1本で撮影できますので、シャッターチャンス的にも有利になります。

 ちなみに執筆日現在でLimitedレンズ3本で実売価格は約23万円、対して「HD PENTAX-D FA 24-70mmF2.8ED SDM WR」は実売15万4千円ほどで価格的にも有利です。

 勿論単焦点には絶対超えられない単焦点ならではの良さがありますが、コストパフォーマンスや使い勝手でいうと大変効率の良い高性能(ココ重要)なレンズたちだと思います。

 使う側の技術にも左右されますが、同じ技量の人が機材にお金をかけて得られる画質の良さはおよそこんなイメージではないかと思っています。いつも言っている「まずは入門機でいいよ」という理由も今回大三元をオススメしている理由もご理解頂けるかと思います。

・ ドール撮影に高い機材は必要?(フルサイズ vs APS-C)

 そういう訳で私は気合を入れて撮影する時、初めて出掛けるどんなレンズを使うのか想像出来ない場所には大三元を持っていきます。旅行で荷物の制約もある時などはなおさら便利です。開放値が2.8あれば、フルサイズならではのダイナミックなボケも期待できますし少しオーバーに言ってしまうと「大三元があれば撮れない写真はない」と思います(個人的に大好きな魚眼ズームは別途欲しいですが)。

 これらのレンズは仕事で使うにも大変便利で、ブライダルのカメラマンの時は広角と標準の2本を使用していました。というより2本の2.8ズームレンズは仕事を受ける上で必須で、一緒に働いていた仲間たちはメーカーは異なれどみんなf2.8の広角、標準ズームを持っているような感じでした。また物撮りでは標準ズームが便利です。基本少し絞って使いますので無理に単焦点にしなくても使い勝手の良いズームレンズで十分です。

 それでは、今回は大三元を使用した作例を何枚か紹介していきたいと思います。

■ HD PENTAX-D FA 15-30mmF2.8ED SDM WR

15mm、1/1500、f8、ISO400、WBオート、C/I鮮やか

 広角レンズのメリットの一つとして「背景をたくさん取り入れられる」ということが挙げられると思います。北海道の荒野に残る炭鉱遺構を撮りに行きましたので、荒野、北海道の美しい空、そして炭鉱遺構のホッパーと欲張りに画面に詰め込んで、夏の北海道らしい写真にしてみました。

15mm、1/4、f6.7、ISO200、WBマニュアル、C/I雅(MIYABI)

 超広角レンズになると周辺の像が流れるような現象が起きますので、手前の枯葉が流れているような描写になって露光間ズームをしたような写真になっています。また広角になるとスローシャッターが切りやすくなりますので、シャッター速度を1/4にして風で揺れている枝をブラして動きある写真にしてみました。

15mm、1/30、f8、ISO2200、白熱灯、C/I銀残し

 こちらは先程と同じ場所で後ろ向きになってもらって撮った写真ですが、設定を大胆に変更したので同じ場所には見えないかもしれません。こちらも手前側の枯れ葉が流れていますが、注目して欲しいのは脚です。周辺部へ行くほど像が引っ張られるような感じになりますので、脚が一段と長く見える効果があります。

 逆に顔は引っ張られると歪になりますので、広角や超広角レンズを使用する時はなるべく中央部に顔を持っていったほうが良いと思います。

30mm、1/60、f8、ISO800、WBオート、C/I人物

 15mm側で撮影すると上3枚の様な独特の世界が見られるレンズですが、30mm側にするとこの様に遠近感も自然な範囲に入ります。

■ HD PENTAX-D FA 24-70mmF2.8ED SDM WR

24mm、1/2000、f9.5、ISO1600、WBオート、C/I鮮やか

 標準ズームですが、広角側は24mmですので、これ位の開放感を出すことは容易です。単焦点レンズ全盛の頃は24mm、28mm、35mm、50mmとレンズがありましたので、単焦点の広角レンズだけで3本持っているのと一緒です。

53mm、1/250、f16、ISO200、WBオート、C/I雅(MIYABI)

 標準レンズの50mm周辺で使うと遠近感が自然な写真が撮影できます。「〇〇に行ったよ~!」といった記念写真にも都合が良いです。開放値が明るいf2.8ですが、この様な記念写真的要素の強い写真は作例のように絞って遠景もくっきり写したほうが良いかと思います。

70mm、1/4000、f2.8、ISO200、WBオート、C/I雅(MIYABI)

 70mmにすると望遠独特の圧縮効果も生まれてきますので、ユキヤナギが満開の様子を圧縮効果で強調してみました。大口径の強みを活かしf2.8の開放で撮ってみましたので、ドールとその周辺の花にはピントが合っていますが、奥の花はボケています。

■ HD PENTAX-D FA★70-200mmF2.8ED DC AW

115mm、1/750、f8、ISO400、WBオート、C/I風景

 私は鉄道を撮る時望遠で迫力を出すのが好きなので、まずは鉄道が格好良くなる焦点距離を決めてからフレーミングしてみました。保存車両が程よくボケてくれましたので、粗が目立たずまるで現役車両がエンジン音を響かせながら横を通過しているような迫力ある写真が撮れました。

200mm、1/750、f2.8、ISO200、WBオート、C/I人物

 開放にして200mmならではのボケで背景を溶かしてみました。カメラを構えたドールと寒桜以外は殆ど印象に残らない写真になりました。

140mm、1/180、f4、ISO800、WBマニュアル、C/I雅(MIYABI)

 この写真も梅の花が咲いている迫力を圧縮効果で表現したかったので、めいいっぱい離れてから出来るだけ望遠にして撮影してみました。咲いている花の迫力にドールも驚いているようです。

 大三元で撮った作品を何枚か見て頂きましたが、どのレンズも大変表現力の高いレンズです。今回は大三元と一括にしましたが、使う画角が決まっていたら無理に全部買う必要もありません、欲しい画角だけで大二元、大一元でも構わないと思います。

 現在PENTAX のフルサイズで言えば最新のDーFAの単焦点レンズは50mmしかありませんので単焦点云々言っていられない事情もありますが、85mmの開発も進んでいるようなのでこちらにも期待しましょう。

 で私的なレンズの揃え方というか考え方ですが、単焦点数本だけですと、それ以外の画角が必要な時に撮影が出来なくなってしまいます。そこでまずは大三元で超広角から望遠域までカバーして、それからよく使う画角を単焦点で少しずつ揃えていくというのが良いと思っています。


HD PENTAX-D FA 15-30mmF2.8ED SDM WR
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HD PENTAX-D FA 24-70mmF2.8ED SDM WR
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HD PENTAX-D FA★70-200mmF2.8ED DC AW
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