写真は引き算、魅力的な背景の取捨選択

 写真を見やすい写真にするための配置方法が構図です。構図には様々な基本パターンがありますが、魅力的な被写体が数多く存在する場所ではそれらの魅力的な被写体を取捨選択する必要が出てきます。「絵は足し算、写真は引き算」と言われますが、魅力的な被写体が多く存在する場面での「取捨選択」について実際に撮影した写真で解説していきたいと思います。

 江戸東京たてもの園に展示されている石造りの万世橋交番です。現在の秋葉原にあるmAAchの近くに存在したようですが、更に手前にはレトロな郵便ポストも配置されています。こんな魅力的な風景を見るとついドールと一緒に写真を撮りたくなってしまいます。更にポストの上の突起がドールを座らせるのにも都合が良さそうです。

 そこでついやってしまいがちなのが、こんなアングルの写真です。石造りの交番、ポストを贅沢に入れた写真です。しかしこの写真を見てドールの存在感はいかがでしょうか。石造りの交番とポストは存在感がありますが、ドールは中央に小さく存在するので存在感が薄くなってしまっています。むしろ存在感で言えば構図的に邪魔な奥の白い柵の方が目に付くのではないでしょうか。

 あれも、これもと欲張ってしまった結果、一番の主題であるドールの存在感がかき消されてしまった悪い例です。先程も申しました通り「写真は引き算」と言われていますから、魅力的な被写体が多くある場合取捨選択をして見やすい写真にする必要があります。

 そこで思い切って交番は捨てて「ドール&レトロなポスト」という写真にしてみましたが、こちらの写真の方がドールの存在感が増したのではないでしょうか。そして折角ですのでポストも「郵便」の文字を入れレトロなポストの情報を多く入れてみました。

 少しポストの存在感が強い気もしますが、「レトロな雰囲気+ドール」という写真は撮れたのではないかと思います。そして石造りの交番は交番とは分かりませんが、石造りの壁がポストのレトロ感を増幅させる重要な背景となっています。

 今度はポストを捨てて「ドール&石造りの交番」という写真にしてみました。冒頭の写真にあった救命ブイや白い柵も見えなくなってすっきりした写真になっています。個人的にはドールの存在感がこれ位の方がしっくり来ますので、上の写真よりバランスが良いかなと思います。

 魅力的な被写体が数多く存在するとつい、あれもこれもとなってしまうのが常なのですが、こんな時思い切って一つに絞る勇気も必要です。

 しかし「どうしても交番とポストを一緒に撮りたい、一緒に撮らないと死んでしまう!」という場合にはこの様に少し離れて「赤いポストが立っている交番」という背景にしてこの様にしてみるとドールの存在感とレトロな建物との存在感のバランスが取れると思います。

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