CanoScan9000F MarkIIでフィルムスキャン

 フィルム写真が密かなブームになっていますが、フィルムで撮影した写真をインターネットにアップロードするにはプリントをスキャンするか、フィルムをスキャンする必要があります。

 最近ではトイカメラで撮影してSNSで公開という流れがある為か35mm判のフィルムスキャナは安価なものも用意されてますが、中判もスキャンしようとするとそれなりの装備が必要になります。

 私は9600dpiでスキャン出来る「CanoScan9000F MarkII」を使っていますが、いつの間にか生産完了してしまった様です。しかしまだ新品も多少市場にはあるようですし、中古もふんだんにありますので少し紹介しておきたいと思います。

 CanoScan9000F MarkIIはフラットベッドスキャナにフィルムスキャナ機能が付いたものです。20年前位にあったフィルムスキャンしか出来ないフィルムスキャナーに比べるとやや像が甘い気もしますが、現在民生品の中判用のフィルムスキャナは見かけませんのでこの方法が一般的な中判フィルムのスキャンでは唯一の選択だと思っています。

 35mm判フィルムなら最大2列12コマ迄一度装填すると自動でスキャンしてくれます。またポジマウントや中判645、6×6、6×7、6×9、6×12迄スキャンできます。PENTAXには645、67がありますし、RICOH FLEXは6×6ですから中判は必須なのです。

 また付属ソフト「Scan Gear」を使うと簡単に解像度が選択で来たり、ゴミや傷の除去、退色の補正、逆光の補正、粒状感の低減、輪郭の強調まで色々とやってくれますので良好なコンディションのフィルムは勿論、古くなったフィルムも最新技術でかなりのレベルまで復活させられます。

 35mm判を最大の9600dpiでスキャンしてみたところ画像データは13632px×9088になりました。PENTAX 645Zの最大画像が8256px×6192pxですから超ビッグデータです。色の補正をある程度行っても階調は保持できそうです。

 ちなみに出力したデータのピクセル等倍がクリックして拡大された画像です。ここまでスキャン出来ていれば色の補正やシャープネス処理をしてもA3、A4なら全く問題ありませんし、むしろ粒子の方で限界が来そうです。

 先程申しました通り「Scan Gear」では粒状感を低減できる機能があるのですが、フィルムらしさを残したいのでこの様に粒状感低減はオフでスキャンしています。

 逆に最小の300dpiで出力したら1704px×1136pxで出力できます。WEBで使う小さな画像ならこれ位でもいけそうです。

 ちなみにクリックした画像がピクセル等倍です。横幅が1136pxで1280pxに満たない為左右に余白があります。

 また付属のマウントを使用せず「無反射ガラス」でスキャナー面に固定すればベタ焼き風の格好いいデータを作成することが出来ます。デジタルが高性能になってフィルムは「余裕のあるお遊び」になってしまったのでこうやって色々遊んでみるのも楽しいものです。

 今から20年前にはフィルムスキャナが普通に売られていましたし、私もNikonのCOOLSCANを使用していました。現在は後継も発売されず、20年前の製品が恐ろしい金額になっています。そしてこの「CanoScan9000F MarkII」は2015年に購入したのですが、結局後継機種も出ないまま生産完了になってしまいました。

 2015年頃は業務用フィルムは1本200円位だったと記憶していますので、フィルム周辺の状況は急激に厳しくなっているようです。もう少しフィルムを楽しみたいというなら環境は早めに整えておいた方が良さそうだと感じています。

 幸い「CanoScan9000F MarkII」は若干割高な気がしますが新品もありますし、まだ程度の良い中古も見つかると思います。そして競合製品のEPSON GT-X830は6400dpiで少しスペックは劣りますが、現役でもう暫く修理の心配もしなくて良さそうなので、こちらを狙う手もあると思います。


CanoScan9000F MarkII(Amazon)
他の取扱店:Yahoo!ショッピング楽天市場など

 Canonは生産が完了していますが、EPSONは現役ですのでアフターサービスなどもまだ安心できます。Canonが9600dpiに対しEPSONが6400dpiですが、Canonの4800dpiで出力したところ6816px×4544pxの約3100万画素になりますので余程のことが無ければ6400dpiでもスペック的に不自由はしないと思います。

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EPSON GT-X830 icon(ビックカメラ)
他の取扱店:Yahoo!ショッピング、Amazon、楽天市場など

 さらに予算に余裕があれば↓のモデルなら満足度が高いと思います。フィルムをスキャンするレンズとプリントをスキャンするレンズを使い分けますので画質は最高です(解像度は6400dpiです)。そして8×10のフィルムもスキャン可能、フィルムスキャンではこの上のモデルは無いと思います。しかしその分価格も約2倍になります。

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EPSON GT-X980 icon(ビックカメラ)
他の取扱店:Yahoo!ショッピングAmazon楽天市場など

【おまけ】格好良く仕上げたフィルムデータはオンラインプリントで、フィルム時代の写真にしてみよう

 ところで、せっかく作ったデータはWEBの公開だけでは少し勿体ない気がします。きっちりスキャンして良いデータを作って、オンラインプリントで仕上げるとまるでフィルム時代の写真の様な粒状感を残したプリントが出来上がります。

 一般的な写真サイズはL判ですが、気に入った写真は倍の面積の2L判がおすすめです。写真自体に迫力が出ますし、細かいところまで写真をチェックできます。

 余談ですが、フィルム時代末期にDPE店が導入した「デジタルプリント」とは印画紙にネガを通して光を当てて感光させる従来のプリントとは異なります。簡単にいうとスキャナーでフィルムをスキャンしてそのデーターを元にレーザーで印画紙を感光させるものでした。

 その手法は一長一短で賛否両論あったのですが「スキャンしてデーターを使ってネットプリントを注文する」という流れはフィルム時代の「デジタルプリント」そのものなのです。

 最近のインクジェットの階調は大変豊かになりましたが、フィルムをスキャンしたデータでネットプリントを注文すればフィルム時代にDPE店で焼いて貰った写真と同じものが出来上がります。

 スキャンしたデータでプリントを作るなら「しろくまフォト 」さんが安くておススメです。配送の時間はかかりますが、1枚5円ならインクジェットのコストより安いと思います。10枚頼んで5X10で50円、それにプラス送料98円で148円。こんなに安くて商売になるのか心配です。

 ちなみに集合写真などでお馴染みの2倍の面積の2L判は20円、昭和の時代は一枚150円位、フィルム時代末期でも80円位したので、当時と比較するとこちらも破格の金額です。

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