Nikon Df レビュー

 既に発売から7年が経過して今更な感じもありますが、私の好きなカメラの一つにNikon Dfがあります。一時期所有して一度売ったのですが、また買い直してしまった様なカメラです。フィルムカメラのようなデザイン、Ai化以前の50年以上前のレンズは普通に使える面白いカメラです。

 発売から7年が経過しているので画素数や連写性能では少し見劣りしますが、勿論最新のレンズを装着して普通にデジカメとして使うことも可能です。

■ とにかく古いレンズを装着すると超格好いい

 この様なフィルム時代のNikon F3を彷彿させるようなデザイン。先程も書きましたようにナノクリコートのGタイプレンズを装着してフルサイズデジカメとして使用することも可能ですが、この様にマニュアルレンズを装着するととても格好いい見栄えになります。この見栄えに惚れて買ったカメラと言っても過言ではありません。

 ちなみに現行カメラとして使った場合の性能ですが、センサーはD4のものが使用されています。先日D6が発売されましたので二世代前ということになりますが、フラッグシップモデルのセンサーです。またAFはD600、D610のものが採用されています。なおシャッターの耐久性は15万回です。

 撮影モードからシャッター速度、絞り、ISO感度、露出補正まで全てダイヤル操作です。見た目も操作感もまるでマニュアル時代のフィルムカメラの様です。

 FUJIFILMのX-T4などiconも似た様な意匠ですが、やはりフルサイズで50年以上前の自社のレンズがそのまま使え、まるでフィルムカメラを操作する様な感覚で楽しめるのがこのカメラの一番の魅力だと思います。

 つまり究極の懐古趣味的なカメラなので、最新のNikonの技術に触れていたいという方は、NikonのZシリーズiconを選んだ方が良いかと思います。

 しかしダイヤル式の操作系は単なる懐古趣味だけでなく、一目見てカメラの設定が分かるというメリットがあります。真面目にこのカメラの良さを語るならこのメリットについて主張すべきだと思いますし、FUJIFILMがやはりダイヤル式を採用した理由も同じだと思います。

 背面液晶や軍艦部の液晶を読まなくても、パッと見てシャッター速度、ISO感度、露出補正が分かるのは、使ってみると実感できると思いますが撮影していて大変便利です。

■ 格好いいは置いておいて冷静にスペックを検証する

 しかし一方でこのカメラのデビューは2013年、もう7年前のカメラです。やはり各社が厳しい競争の中でスペックを上げてきていますのでこのカメラの弱さもあります。その中でも2つを挙げ、Df贔屓で斬っておきたいと思います。

・AFが弱い

 このカメラのAFユニットはD600、D610のものを使用していますので発売当初からAF性能の評価はあまり高くありません。

 やはり高速の動きモノを撮った時にピントが追従しない、暗所でAFを使用するとピントが迷って定まらないということはあると思いますが、カメラの性能はピンキリなので置きピンや補助光で補うしかないのかなと思います。しかし日中の外や部屋の中では全く不満を感じません。

 また私の場合古いレンズを付けてMF撮影という機会も多いのでAF性能云々はあまり関係ありません。というかAF初期の頃の脆弱なAFから使っていますので「う~ん、早いし、正確だし十分じゃない」というのが本音です。少なくとも明るい場所でのドール撮影なら全く問題ありません。

・フルサイズのくせに1625万画素

 現在のフルサイズ機は3000万画素から4000万画素、APS-C機でも2400万画素前後の時代ですから数字を見ると少し少なく感じるかもしれません。しかし1600万画素あればA3なら十二分、A2プリントでも使えますので十分と言えば十分なスペックなのです。むしろファイル容量が少なくて助かりますよという世界です。

 それとこのカメラはやはりMFレンズを使ってナンボですから、あまり画素数が高く細かいところまで写ってしまうとピントがシビアになりファインダーでピントを合わせて気軽に楽しむことが出来なくなるということも考えられそうです。

 1625万画素のカメラと3640万画素のカメラ(他社)で撮り比べてみました(焦点距離70mm)。全てオートで適当に撮影していますので画質の比較はご容赦ください。ファイル容量はそれぞれこれ位になります。

 そして本題はここからです。どちらの画像もピクセル等倍に拡大すると(クリックした画像がピクセル等倍)拡大できる大きさに差が出てきます。画素数が大きくなればその分だけ大きく拡大できますのでより厳格なピント合わせが必要になり、あまり高画素のカメラですとファインダーを覗いて気軽にピント合わせという訳にはいかなくなります。

 ちょうど1625万画素位が「フィルムの性能を超えた、超えない」と言われていた数字なのでこれ位の数字の方がフィルム時代のオールドレンズとは相性が良いのではないかと思うのです。(フィルムを超えたという厳格な数値は諸説があり分かりませんが・・・)

 それともうひとつフルサイズにもかかわらず1625万画素という低い数値に抑えられている為に階調性の豊かさがこのカメラの特色でもあります。実際フィルムカメラと比較した時高画質よりこの階調性が超えることが難しかったくらいです。

 大きなセンサーで解像度が少ない分性能は階調性に充てることが可能です。フラッグシップ機のD1桁機が同時期のD8X0系より画素数が少ないのもその為です。

 ナノクリの高性能AFレンズを装着して実用性一本でガンガンいくカメラではありませんが、最新レンズでもゆっくりカメラを構えれば十分に美しい写真が撮れますし、フィルム時代のレンズにはまさにうってつけ最適なカメラです。

■ マニュアルフォーカスをサポートする2つの機能

 このカメラにはライブビューモニターが付いていますので、更に拡大すると厳密なピント合わせが出来ます。一眼レフの持ち味の一つは機動性ですから出来ればファインダーでピント合わせをするのが楽ですし、理想ですが、ここ一番厳格なピント合わせをしたい時は三脚を使用してライブビューモニターで拡大するとシビアなピント合わせが出来ます。

 またフォーカスエイドもカメラによっては非CPUレンズでは中央1点のみというカメラが多いですが、このカメラは全ての測距点が使用できます。より古いレンズが使用しやすいカメラと言えます。

■ 個性的なオールドレンズを使った作例

 それではオールドレンズを装着して色々撮影してみたいと思います。

DETA : 1/4000、f1.4、ISO200、WBオート、P/Cニュートラル(APS-Cサイズにクロップ)

 位置的にもう少し望遠が欲しかったので必殺裏技「APS-Cクロップ」を使用してみました。75mm相当になり、切り取りたい画角で切り取ることが出来ました。この辺の柔軟さはデジカメの恩恵ともいえそうです。

DETA : 1/250、f1.4、ISO100

 こちらの写真はSILKYPIXを使用して「ブリーチバイパス」で仕上げてみました。Capture NXでもパラメーターを操作すれば作れないことは無いと思いますが、こうした個性的な仕上がりはSILKYPIXを使えばワンクリックです。

 Nikonは「ありのままにきちんと綺麗に写す」のが得意なメーカーです。そういう社風の為かNikonのRAW現像ソフトは正しく補正するには申し分何のですが、遊び心という点では少し物足りなさを感じます。

 「オールドレンズを使って個性的な写真を!」というならSILKYPIXなどの現像ソフトの購入をおすすめします。フィルムのの様な仕上がりや、トイカメラの様な仕上がりも1クリックで簡単に再現できます。

 こちら2枚の写真は50年以上前に造られたこちらのレンズで撮影しています。


Auto Nikkor-S 50mm f1.4(Amazon)
他の取扱店:Yahoo!ショッピング楽天市場など

 こちらは「Ai Zoom Nikkor 28-50mm f3.5」で撮影してみました。先程のレンズより新しいとはいえ40年位前のレンズです。このAiレンズ以降のレンズはカメラ側に設定をしてあげると絞りデータも記録できますので大変便利です。

 なおこちらのレンズは比較的古くに消滅した為かあまり市場で見かけることはありません。中古市場ではオールドレンズより見かけませんので見つけた時が買い時かもしれません(中古検索:Yahoo!ショッピングAmazon楽天市場など)。

 こちらもやはり普通に出力しても面白くないのでSILKYPIXでトイカメラ風に仕上げています。コントラストが高く周辺光量が不足している感じも面白い仕上がりです。

■ 多分Nikonにしか作れないカメラ

 より高解像度を、より高感度で、よりAFを早く、より小さく、軽くと各社が競争している中で一眼デジカメはもう買い替える必要が無い位高性能になりました。しかしそれでもメーカーは更に上を目指し続けています。これからももっと素晴らしい新製品が発売され、多くのファンやプロを驚かし、喜ばすのだと思います。

 しかしフィルム時代のカメラはもっと不便でAF以前は「ピントと露出が合っていれば写真が上手い」という時代もありました。このカメラには不便な中創意工夫でより良い写真を撮ろうとしていた時代を思い出しながら写真撮影を楽しめるような雰囲気が詰まっています。

 多分ここまでのカメラは多分Nikonしか作れないと思いますし、Df2の噂が出ても既に7年モデルチェンジされていない現状を考えますともうこんなカメラはこの世に出て来ないかもしれません。7年で随分デジカメ性能も向上しましたので性能ベースでカメラを選ぶならおススメはしませんが、見た目やコンセプトが気になる人なら今なお色褪せずに楽しめる、きっと面白いカメラだと思います。

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Nikon Df icon(ビックカメラ)
他の取扱店:Yahoo!ショッピングAmazon楽天市場など

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