ドール写真の現場でやるべきこと、家に帰ってからでもできること

 最近はパソコン等を使用した画像処理も容易に出来ますので、写真を撮影する際は絶対現場でやっておくべきことと、現場ではそれ程拘らなくて良い事があります。今回はそんな話をしていこうと思います。

※ 現場でやっておきたいこと

■ シャッター速度

 手ブレや動体ブレは後での修正が殆ど効きませんので、シャッター速度は注意してください。具体的に言うと手持ちの場合、フルサイズ機で焦点距離分の1が一つの目安になります。手ブレ補正がある場合はそれを勘案して決定します。

 動体ブレはドール撮影ではあまり関係ありませんが、鉄道等のように高速で動くものの写真では、条件にもよりますが1/250~1/1000が必要になる場合もあります。

■ ピント

 ピントも手ブレ同様RAWデータからは救えませんので、現場でキッチリ合わせましょう。

 デジカメの小さな背面モニターではOKでも拡大してみるとダメというケースもあります。手ブレが起こりうるスローシャッタを切る時や厳密なピント合わせが必要な時は拡大して確認しておくことをおすすめします。

■ ドールのセット

 ウイッグが乱れている、裾が捲れている、リボンが曲がっているなどを後から修正するのはかなり大変です。例えばリボンの曲がりなどは現場では数秒で直せますが、後からパソコンでとなると早くて十数分、服の柄によっては数十分かかることもあります。なるべく現場で良い状態を作りましょう。

 しかし風がありウイッグがセットしてもセットしても乱れてしまう様な場合は、そこそこで妥協してあとはパソコンで修正してしまう方が早いかもしれません。

 左の写真は撮り終えた後ベストの後ろ部分が外れていることに気付いた写真です。言われなければ気付きにくい部分だと思いますが、気付いてしまえば何とも間抜けな写真です。1本列車を待ち右の写真を撮り直しました。折角なのでドールに意思を持たせるべく列車に手を振らせてみました。

※ 現場とパソコンは状況により使い分けること

■ 露出

 露出はRAWで撮影した場合、大きい補正は画質の低下に繋がりますが、1段未満の補正なら綺麗に仕上がります。しかしこれも必ず1段以内なら大丈夫か?というとそうでもなくて、空の白飛び等は0.3段マイナにするだけで明るい部分に不自然な明るさの境界が出来てしまったりすることもあります。

 逆に暗かった写真は1.5段位明るくしても綺麗に仕上がったりする時もあります。どちらかというと、露出の後補正ではオーバーよりはアンダーの方が救える確率が高い気がします。

■ ドールスタンドの処理

 現場で目立たなくさせる為、土や草で隠すなどの作業はやっておいた方が良いと思いますが、無理はしない方が良いと思います。スタンドを目立たない様に無理な立たせ方をしてドールを倒してしまったり、スタンドを脚の死角に入れようとして目線を外してしまったり、構図が狂ってしまうのは悪手です。

 スタンドはパソコンで消しますが、現場で草や土をかけ目立たなくしておけば、後処理が楽になります。

※ パソコンで後から可能なこと

■ ホワイトバランス、カスタムイメージ(仕上り設定)(後でも可)

 ホワイトバランスやカスタムイメージ(仕上り設定)の処理は撮って出しのjpegでも、イメージセンサーで得た像の情報を元にカメラ内で処理していますから、RAWで撮影しておけば、後からどの様に変更しても画質は劣化しません。ここで悩むなら現場ではシャッターチャンスを優先した方が良いと思います。

 ホワイトバランス「オート」、カスタムイメージ(仕上り設定)はドール撮影なら無難に仕上がる「人物」で撮影したそのままの写真です。夕日がきれいですが、インパクトの無い写真です。

 ホワイトバランスは「日陰」に設定して、さらにアンバー、マゼンダをめいいっぱい足してみました。またカスタムイメージ(仕上り設定)は鮮やかな「雅(MIYABI)」をベースに彩度やコントラストを上げてみました。

 夕日が沈むこの時間は現場でのんびりやっていますとあっという間に太陽が沈んでしまいますので時間との勝負です。ホワイトバランスやカスタムイメージ(仕上り設定)の細かいところは現場では追わずシャッターチャンスを優先します。

 なおこの仕上がりならもう少し暗い方が良いと思い、露出もRAW現像で-1段暗くしました。この画面でのサイズなら気になりませんが、クリックで画像を拡大すると太陽の内側に不自然なグレーのリングが現れます。これが「露出」の所でお話した明るいものを暗くする際の限界です。

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