smc PENTAX-FA 77mmF1.8 Limited レビュー

 フィルム時代の2000年に発売になった3本のFA Limitedレンズのうちの一本である「smc PENTAX-FA 77mmF1.8 Limited」を今日はレビューしていきたいと思います。20年前の設計で初めてその存在を知った時は「要らない!!」でしたが、使ってみると20年現役の実力、使い易さで今ではお気に入りの一本になりました。

 まずはお約束の内容物です。比較するものがないので分かりにくいですが、最近の大口径レンズやズームレンズを見慣れているととてもコンパクトです。フィルター径49mm、AFもボディモータで駆動しますからレンズは極めてコンパクトです。

 私の場合「この時代にボディモーター駆動のAF・・・」というのが買わない理由の一つだったのですが、AF性能が必須なシーンではD FAズームがありますので画質重視で撮影するときにはあまり欠点として感じられませんでした。逆にこのコンパクトなサイズが持っていきやすく長所として生きています。

 フィルム時代に生まれたレンズですからデザインもクラシカルです。また絞り環をレンズ側で操作できますので後述しますがフィルムカメラにも使用できます。

 ここでこの「smc PENTAX-FA 77mmF1.8 Limited」について少し語っておきたいと思います。77mmという焦点距離は珍しいですが、一般的にはほぼ全メーカーの統一規格になっている85mm、50mmという焦点距離がありきで設計が始まります。

 しかしこのレンズは「写りが第一」がコンセプトなので「中望遠を作りたいと設計していき、結果77mmが画質を最良に出来るので77mmにした。」という感じの開発だったそうです。それだけ画質に拘ったレンズですから通常レンズの性能評価に使用されるMTF曲線より実際プリントしてどう見えるかと何枚も写真をプリントしてプロカメラマンを交えながら検証したという話も聞きました。そして内部ではこの様な評価方法を「官能評価」と呼んでいた様です。

 他にもアルミ削り出しの鏡筒などLimitedレンズならではの特色もありますが、Limitedレンズについてはこちらの記事でも触れていますので興味のある方は是非ご覧になってみてください。

・ Limitedレンズがあるから、PENTAX!

 そしてこのレンズの素晴らしいところに速写性能が挙げられます。現在レンズフードというと反対にして被せるタイプが主流ですが、このレンズは内蔵の引き出し式です。引き出せばすぐに使えますし、押し込めば収納も終わりです。

 また他のFA Limitedレンズと同じフィルタ径49mmですからコンパクトでフィルタの共用も可能です。

 クラシカルなデザインは角張ったデザインのK-1にとても良く似合います。

 カメラレンズだけでもう一枚。クラシカルな雰囲気で格好いいだけでなく、レンズがコンパクトなのもご理解いただけるかと思います。

 また冒頭お話しましたように、このレンズが発売されたのは2000年です。なのでデジタルが登場し始めた頃ですが、まだまだフィルム全盛時代ですからフィルムカメラにも対応しています。絞りを操作する時は絞り環を操作して設定します。

 レンズにある表記をアップで見ていただきます。緑色の丸いパーツはフィンガーポイントと呼ばれPENTAXレンズ独特のパーツです。これをどの様に使用するかということなのですが、フィルム時代はこのフィンガーポイントの位置とレンズ取り外しボタンの位置を合わせればレンズが装着できました。

 デジタルのカメラはクラシカルなK-1、KPでも位置が合いませんから古き時代の名残ですが、フィルム時代のカメラは全て同じ場所にレンズ取り外しボタンが配置されていたことになります。またこのパーツはLimitedレンズでは七宝焼で作られていることも上品な感じで所有している満足感を高めてくれます。

 それでは外観の話はこれ位にしてやはりレンズは写ってナンボですから、作例をいくつかご紹介していきます。

ISO200、1/1000、f1.8、C/Iリバーサル、WB日陰

 先日ミスターPENTAXこと池永氏が「Limitedレンズはなるべく開けて使って欲しい」と仰っていたので、開放で撮影してみました。「ボケの柔らかさ」がLimitedレンズの特徴の一つですが、日光で輝いている落ち葉がこの様な表現になりました。

ISO200、1/750、f1.8、C/I人物、WB日陰

 20年前の設計ですから勿論全て手放しで素晴らしいという訳でもありません。これも開放で撮影しましたが、気になるところではフリンジはやはり盛大です。下に拡大した画像を載せていますので見てみてください、クリックで拡大した画像がピクセル等倍です。

 胸下のリボン、跳ね毛にフリンジが発生しているのがわかります。例えばフリンジがほぼ0のD FA50mmなどとはやはり比較になりませんが、その分重量はD FAの方が圧倒的に重くなっていますので自分はどこまで必要なのかを見極める必要があるかと思います。

ISO200、1/250、f2.4、C/I雅、WB日陰

 またミスターPENTAXこと池永氏は「近撮の場合はF2.4が最も良いので、絞り環にクリックを設けている」ともおっしゃっていましたのでドールアップの近撮はf2.4の方が良さそうです。フリンジ補正もかけていますが、この写真ではフリンジも殆ど目立ちません。

ISO200、1/500、f2.4、C/Iカスタムイメージ、WB日陰

 またこれまでの写真は比較的カラーをゴリゴリに出してきていますが、この写真はクロスプロセスを使用して淡い感じに仕上げてみました。背景ボケの玉々と彩度の低い感じが上手くマッチしたと思います。

 中望遠ならではの柔らかいボケはこのレンズの一番の特徴とも言えます。またレンズの大型化が当たり前になっている今日、ポケットに入る単焦点というコンパクトさもポイントが高いです。

 やはりシャッターチャンス時に機材がなければ宝の持ち腐れですから持ち運びが苦にならない大きさというのも重要です(ボディモータ駆動はご愛嬌w、ドールメインの私には無問題ですが、このレンズでAF重視の被写体の場合は少し辛いかもです)。

 そして20年経っても今なお多くの人が銘玉と使っているという時代を超えた味わい、そしてアルミ削り出し、七宝焼のフィンガーポイントなどこのレンズならではの質感「使ってみて気に入ったレンズ」の一本です。K-1使いで中望遠の単焦点が欲しければ買って後悔は無いと思います。


smc PENTAX-FA 77mmF1.8 Limited

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