OBD2ケーブルの「常時電源→アクセサリ電源」化加工

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 OBDコネクタに接続するアクセサリが数多く出現していますが、電源が常時供給の為バッテリーが上がってしまったといった不具合を時々レビューで見ます。OBD2メータの中には電圧の変動でON-OFFするものもありますが、やはりアクセサリから電源を供給する方が確実です。

 そこで今回はアクセサリを接続するコネクタの電源取得端子をアクセサリ電源にしてしまおうという改造をしてみました。但しメーカー的にはあくまでもこの端子は故障診断用の端子でアクセサリを接続することは想定していませんので、今回の作業や、OBD用アクセサリの接続は自己責任でお願いいたします

 OBDとはそもそもは電子制御車の状態を整備工場がモニターする為にあるコネクタで、アクセサリを接続する端子ではありません。電子制御車を制御するコンピュータは各種センサーからデータを取得して、燃料噴射装置や点火プラグなどが最適な動作をする様に信号を送っています。

 これらのデータや信号を専用の端末で読み取ればどこに不具合が有るのかが分かり、整備の参考になります。

 例えばアイドリングが不安定といった症状が出た場合、燃料噴射量が悪いのか、点火時期が悪いのか、水温、吸気温、など関連する数値を見ていきます。また逆に端末を操作して疑似的にその数値を上下させて、自動車側に変化が見られるかを試す事も出来ました。

 昔は自動車メーカごとにこのOBDの規格は異なりましたが、2008年に統一され「OBD2」となりました。

 そんな端子ですから、電源である12Vを取得する端子はキースイッチオフでも電気が流れる「常時電源」となっています。この端子にアクセサリを接続したらキースイッチをオフにしても電気が流れ続けますので、最悪バッテリー上がりを起こしてしまう可能性もあります。

 しかしこの様な重要な端子を直接加工するのは不安ですし、車を買い替える時の問題もあります。そこで今回は下の様な「OBD2 ハーネス 2分岐 2ポート コネクタ」を加工して行うことにします。


OBD2 ハーネス 2分岐 2ポート コネクタ

 配線を見てみると車側のコネクタに差し込む黒いオスコネクターから伸びるコードはコネクタ1に入り、そこで分岐してコネクタ2へと続いています。(この画像のみ商品画像を加工)

 今回はコネクタ2を加工して、そこにメータ附属のコネクタを接続します。そうすればコネクタは1はそのまま今まで通り常時電源が流れますので、通常の故障診断に使用できます。

 電源供給は赤丸印の16番ピンです。加工無しならここに常時電源が流れるわけです。この後ろ側のコードを加工してアクセサリー電源に接続します。

 先程の16番ピンのコードを加工しやすい長さでカット、アクセサリー電源から取ったコード(赤/黒コード)と接続します。私はオーディオのアクセサリー電源取り出し端子から取りましたが、シガライタやACCのヒューズからでも取れますのでやりやすい方法で電源を取ってください。

 カットした反対側のコードは端子に接続すると常時電源が流れますのでしっかり絶縁して、ビニールテープで他の配線と一緒に束ねておきます。

 分岐コネクタを車側コネクタに接続した状態です。MR31Sハスラーの場合写真の様にパーキングブレーキ上にありますが、車種によりコネクタの装着位置は異なります。しかし整備士が運転席に座ってコネクタに接続した端末を触れる様設計されていますから
、通常運転席近くの目立ちにくい場所に設置されている場合が殆どです。


AD310 OBDIIスキャンツール

 ところでOBD2コネクタとはそもそも故障診断用のコネクタですから、故障診断が可能な端末を接続してあげると故障診断を行うことが可能です。また機種によっては疑似的に信号を変化させたり、過去に起こった故障履歴を消去出来たりします。

 大変便利で好奇心をくすぐるところではありますが、正しい知識が無いまま動かすとエンジンや補機類を壊してしまったり、自分で対応できなかった場合専門工場での整備を余計難しくしてしまう場合があります。正しい知識が無ければモニターして「正常!」と安心するレベルに留めておいた方が良いと思います。

 私が自動車販売会社に居た頃はこんな自己診断機はメーカーがディーラに供給しているものだけで、個人が手にすることなど不可能でした。近所の個人経営の自動車販売店も故障診断が必要な時はディーラーに持ち込んでいました。

 今はAmazonで「obd2 故障診断機」と検索するとピンキリで山のように商品が出てくるのですから、プライベータには良い時代になったものです。

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