フィルムデュプリケーター レビュー

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 最近の撮影は専らデジタルが主でフィルムはもう自分で現像を楽しんだり趣味の世界になってしまいましたが、私の場合2005年頃まではフィルムが主でそれ以前の大切な記録は全てフィルムで記録されています。

 フィルムスキャナでデジタル化をしようとしたのですが、仕上がりに納得出来ずフィルムデュプリケーターを試させてもらった所納得いく仕上がりが得られられたので導入してみました。スキャナではフィルムの限界はこの程度かと思っていましたが、フィルムデュプリケーターの仕上がった像を見ると、フィルムの解像力の高さに改めて驚かされました。

 なおこの製品はPENTAX製ですが、三脚や撮影台の様な汎用用品ですのでPENTAX以外のカメラでもマクロ撮影の出来るカメラなら、何処のメーカーのカメラでも使用できます

 箱はRICOH定番の銀色の箱ではありません。しかし大きなダンボールです、多分RICOHで購入したものの中で一番大きな買い物です。

 製品は9割方組み上がっていますが、説明書を見ながら位置を設定、マクロレンズを装着したカメラも取り付けます。画面左側のシューにストロボなりLEDライトを装着すれば完成です。きっちり測った訳ではありませんが、だいたい5分から10分程度でセッティングは完了します。

■ 作業効率を考えると多くのカットをデジタル化するならフィルムデュプリケーターの方が有利

フィルムデュプリケーター フィルムスキャナー
データ化開始までの準備時間 5分程度 1分程度
1枚あたりのデータ化時間 1分以内 数分

 スキャナと比較してみると1~2枚など少数を画像データ化するならフィルムスキャナのほうがカートリッジにフィルムをセットするだけでスキャンを開始するので簡単で早く目的を達成できます。

 しかし休みの日の午前中を利用してフィルムを何本か一気にデータ化しようというならフィルムデュプリケーターの方が効率が良いです。最初の機材セットに5分程度の時間がかかりますが、その後はコマを変えてどんどん撮影していくだけですから1枚あたりに要する時間は1分かかりません。

 しかしスキャナの場合3000万画素程度の画像データを作るにはスキャナの性能にもよりますが、1枚あたり数分必要です。一度にデータ化する枚数が多ければ多いほどフィルムデュプリケーターの方が有利です。

■ 仕上がった画質を比較してみると・・・

 次に仕上がったデータを見比べてみたいと思います。これはもう一目瞭然、フィルムデュプリケーターに軍配が上がります。原盤と複写したもの位の差があります。スキャナ自体がコピーの原理ですからこの差は当たり前といえば当たり前なのですが、この作例で言えば目の周辺の表現などを見て頂くとフィルムデュプリケーターの方がくっきり写っています。

 しかし「そこそこでいい」と言うなら決してスキャナの画像が悪いわけではありません。スキャナなら自動で露出や色補正、褪色補正までしてくれますし、ソフト的に小さなゴミも除去してくれたりしますので「手軽にそこそこの画像」と言うならスキャナも悪い選択ではありません。

 しかし二度と戻らないその瞬間をより高画質で保存すると言うなら、性能的にはフィルムデュプリケーターの方が圧倒的に高性能です。

■ フィルムデュプリケーターでデジタル化してみたデータの見本

 原盤はネガですのでRAWで撮影後に階調を反転しコントラスト、明るさ、色味を調整してみました。RAW現像ではまだまだ技術を磨く余地がありそうですが、RAWデータにしておけばもうフィルムそのままの様な画質の劣化は防げるので一安心です。

 ピクセル等倍わ約50%に縮小した画像です。

 これまでスキャナのボヤッとしたデータを見て「これがフィルムらしいゆるい雰囲気、味」と思っていましたが、フィルム&オールドレンズでここまで解像していたのかと驚きです。スキャナで作られた画像を見ての「フィルムらしいゆるい雰囲気、味」という思い込みは改めなくてはなりません。

 昭和63年の札幌駅の画像も一枚掲載します。まだ札幌駅は地平ホームですし、臨時ではありましたが北斗にキハ82も運用されていました。やはり35年近く経つと変色もありますが、画像自体はしっかり残っています。

 私的にはRAWデータはFLATで現像が良いかと思います。DCU5はフィルム端部をサンプルしたホワイトバランス調整、ネガなら階調反転のみの調整で16bitTIFFで出力します。あとはPhotoshopの自動トーン補正、自動カラー補正で持って行く方が色出しは簡単な気がします。

 また上の作例の様に空が黄変している場合はPhotoshopの「空を置き換え」で空を書き換えてしまう方法もあります。35年前の写真ですが、かなり当時の雰囲気を忠実にデータ化出来ました。

 今後もっと素晴らしいソフトが登場する可能性もありますが、RAWデータにしておけばフィルムと違いこれ以上の画質の劣化は防止出来ます。

■ リアル・レゾリューション・システムは必要か

 次にリアル・レゾリューション・システムはPENTAXの殆どのカメラに装備されている、より繊細な画像が撮影できる機能ですが、こちらを使用すると「もっと繊細なデータが作れるのでは?」と思い使用してみました。

 これ位の写真では一つ上の作例との違いは見分けられませんが、

 ピクセル等倍の約50%に拡大するとよりシャープになりましたが、細かいところまで写るということで粒子の存在も目立ってきました。より忠実に、シャープにということならリアル・レゾリューション・システムを使用すると良い効果が得られそうですが、リアル・レゾリューション・システム無しでも十分美しいですし、無しの方が粒子が目立たなくて良いという考え方もありそうです。

 またリアル・レゾリューション・システムは4枚撮影してその後画像処理に数秒かかりますので、スキャナに比べれば圧倒的に速いですが、1枚あたりのデータ作成時間ではリアル・レゾリューション・システム無しよりかなり効率が下がります。

 リアル・レゾリューション・システムは一長一短ですので好みで使う、使わないを選択すればよいかと思いますが、私的には無しでも十分かなと思います。

 という訳で開封して早速数枚撮影してみましたが、両者の違いを色々と知ることが出来ました。個人的にはフィルムデュプリケーターのくっきりした画像を見てしまうとスキャナには戻れない印象ですが、スキャナにするかフィルムデュプリケーターにするのか選択の際の参考になれば幸いです。

 フィルムデュプリケーターのメリットをざっくり言うと圧倒的高画質大量のフィルムをデジタル化する際の作業効率の良さ、この2点だと思います。

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PENTAX FILM DUPLICATOR(フィルム デュプリケーター)icon(ビックカメラ)
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