旧東明駅(美唄鉄道)駅舎編

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 かつて美唄炭鉱が操業していた頃、その石炭を輸送する為の美唄鉄道という名の鉄道が国鉄の美唄駅から美唄炭山の先の常盤台駅まで続いていました。その途中駅である東明駅が現在も地元の保存会の皆様によって大切に保存されていると聞き、先日訪問してきました。

 駅舎は「現役当時と変わらないのでは?」と思えるほどの美しさですが、これは保存会の皆様の日頃のメンテナンスによる賜物です。しかし冬は雪深くなるこの地帯ですから、維持管理は容易ではないようです。

 待合室の半分は展示スペースとして利用され、当時の様子など美唄鉄道にまつわる展示が分かりやすく纏められています。

 そしてやはりここで保存会の活動についても触れておかなければならないでしょう。この駅舎と屋外の蒸気機関車は「東明駅保存会」さんたちの活動によって維持されています。また活動は清掃、修繕などメンテナンスだけでなくツアーの対応や祭りへの協賛、一般公開など多岐にわたります。そして現在一般公開はお盆だけでなく冬季を除く第一日曜日になりました。

 外観だけならいつでも見学が可能ですが、内部を見学してみたい方は第一日曜日の9時から13時に訪れると内部も見学できます。

 そしてこちら側が出札窓口と手荷物扱い所です。有志の方によって寄贈された展示物なども展示されています。

 中は懐かしい昭和の駅の雰囲気です。設備も勿論そのままですが、右上の広告なども当時のまま残っています。

 そして待合室角には何と機械式券売機が残っていました!現在の券売機からは想像できないかもしれませんが、常盤台駅にあった切符の自動販売機です。10円を入れてレバーを引くと10円区間の厚紙の切符が出てきます。今の券売機の様に電気を使いませんが、10円区間の切符しか販売できません。

 電気を使わず決められた金額を入れたら決められたものが出てくるという感じは、現在の切符の券売機よりガチャガチャの方がイメージが近いと思います。当時20円区間、30円区間は横に同じ様な券売機が並んでいたのではないかと思います。

 それでは券売機で買えない区間の切符はといいますと、当時の切符販売の主役はやはり窓口です。窓口で行先を言って駅員さんが日付を入れてとそんな感じで窓口販売が中心だったのではないでしょうか。

 そしてこちらは駅執務スペース側です。机も椅子もストーブも当時のままです。

 そして出札掛が使用する料金表。美唄鉄道が廃線となった昭和47年は北海道から大阪まで4000円台で行けた時代でした。

 そして宿直室。泊まり勤務の駅員さんはここで夜を明かしました。

 駅員の執務スペース側にも懐かしのものが数多く展示されています。現在都市部ではマナー啓発のポスターが多く見受けられます。しかし「わがままな、ひとりで皆が暗い旅」「小さな親切大きな感謝」の標語なども鉄道マナーに関連するものなので、いつの時代でも鉄道車内でのマナーは課題の一つなのかもしれません。

 手荷物扱い所側の窓口。

 今回は東明駅駅舎の中を色々とご紹介させて頂きました。実はこここの駅舎だけでなく奥には当時運行されていた蒸気機関車やホーム跡なども残っていますので、下の記事で紹介させて頂いています。

※ 今回は炭坑関連のDVD撮影の為開館しているところへ偶然訪問したので、保存会の方のご厚意により中を撮影させて頂きました。普段は外観のみの見学で、内部の公開は冬季を除く第一日曜日の9時から13時に行われています

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