旧東明駅(美唄鉄道)機関車・ホーム編
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旧美唄鉄道 東明駅駅舎跡の裏手には現役時代走っていた蒸気機関車と当時のホーム跡が残っています。今回はこの蒸気機関車とホーム跡を見てみたいと思います。2020年のクラウドファンディングで各所が整備されましたので、2021年9月に再訪して再度写真を撮影してきました。説明文冒頭に※マークのある写真が2021年9月に撮影したものです。
森の中に佇む蒸気機関車という雰囲気ですが、車体は美しく塗装され状態は良い様です。これも保存会の皆様の努力の賜物で、大正時代に車両ですが駅舎同様大切にメンテナンスされこの様なコンディションが保たれているのです。
機関車には「2」と書かれているだけですが、機関車の形式としては国鉄の4110形と同型です。美唄鉄道の急勾配や重い石炭を牽引することを考慮に入れ速度より登坂能力ということで動輪は5軸付いています。
旅客用のC62が3軸、貨物用のD51が4軸ですからこの5軸の5110形の登坂能力は最高です。一方美唄鉄道線内を往復するだけで、長距離運転の必要はありませんので炭水車の無い「タンク車」と呼ばれる形状なのも特徴です。
※ 大正時代の蒸気機関車が昭和、平成と時を経て令和の時代にこの様なコンディションで見られることも奇跡なのですが、この状態をこの雪深い地で維持するのは並大抵の努力では叶いません。保存会の皆様の活動には頭が下がる思いです。2020年のクラウドファンディングで更に整備を実施した車両は整備前(2020年10月)と比べ輝きに満ちています。
※ この機関車は国鉄のE10同様動輪が5軸あるE型機関車です。車輪1個当たりの直径が小さくなってしまいますので高速向きではありませんが、重いものを牽引したり急勾配を登ることに適した機関車ですので美唄炭鉱鉄道向きの車両だったということが出来ると思います。
E型のタンク車ということでE10の姉妹車ということができそうですが、E10は急カーブ対策として中間動輪のフランジ無しの仕様ですが、こちらの機関車は5軸全てにフランジが付いています。
※ 後方からも一枚。後部の出っ張り部分に動力の源である水や石炭を積んだタンク車タイプの蒸気機関車です。また駅舎公開時には中を見学できます。
美唄鉄道は「三菱鉱業美唄鉄道線」が正式名称で三菱系の炭鉱の輸送を担っていました。この機関車は美唄鉄道の2号機なので「2」のプレートと三菱のマークが付いています。
※ 内部のシートも新調され、煤が無い分現役時代より美しい車内です。
※ そして機関車の奥側にはかつてのホームが姿を残しています。「とうめい」と書かれた駅名標も2020年クラウドファンディングによって新設されたものです。2020年10月に訪問した時はありませんでした。
右側に自転車通行可の標識がありますが、かつては廃線跡をサイクリングロードとして開放していましたが、施設の老朽化や熊の出没も影響して現在は通行止めになっています。
現在は草で覆われているホーム上面ですが、古レールを支柱跡を見つけることが出来ました。かつては屋根付きの大掛かりなホームであったことが想像できます。
※ 駅名標はレイアウトこそ国鉄型を踏襲していますが、字体は国鉄型と異なります。わざわざ変えたのは当時の資料から忠実に再現したものと考えられますが、地方私鉄らしくて趣があります。
またホームの側面には半世紀が経過してもゼブラ模様の痕跡が残っています。
ということで、東明駅舎裏手の蒸気機関車やホーム跡をご紹介してきましたが、廃線の昭和47年の頃の雰囲気をそのまま閉じ込めた様なこの駅舎の中の様子も見逃せません。駅舎内の様子も下の記事で紹介していますので是非ご覧頂ければと思います。
※ 今回は炭坑関連のDVD撮影の為開館しているところへ偶然訪問したので、保存会の方のご厚意により中を撮影させて頂きました。普段は外観のみの見学で、内部の公開は冬季を除く第一日曜日の9時から13時に行われています。