大林宣彦監督作品にも登場、2025年3月に廃止となる福本渡船

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 ネットを徘徊していたら尾道を走る福本渡船が来年3月で運行を終了する旨の記事を見ました。あともう一回行けるかな?と思いながら2013年に訪れた時の写真をご紹介します。

 「尾道の福本渡船」と言われてピンと来ない方もいるかもしれません。40歳以上だと「映画『さびしんぼう』に出てきた船」といわれると「ああ!」となる方もいるかもしれません。


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 さびしんぼうの船と言いながら、昔過ぎてもう内容は殆ど覚えていません。しかしショパンの「別れの曲」をBGMに、この船が瀬戸内海を行ったり来たりしているノスタルジーなシーンだけは今でも覚えています。

 もし環境が許せば、この記事の写真をショパン「別れの曲」を聞きながら見てみてください。この渡船と別れの曲の取り合わせがめちゃくちゃ良いのです。

 福本渡船はここ尾道から対岸にある向島までの渡船です。写真で見ると向島までは大河並の距離ですが、眼前に横たわるのは瀬戸内海、つまり海です。

 また雑学ネタをもう一つ書くと、本州の人間はこの船を「尾道から向島へ行く船」と尾道基準で考えるかもしれません。しかし船に表記されている船籍港は向島なので、どちらかというと向島の船で、尾道は立ち寄り先なのです。

 船は両頭船と呼ばれるどちらも前の船です。航海灯などもどちらが前で走っても良いように2組付いています。

 瀬戸内海の渡船にはこの様な形状の船が多く、「たまゆら」のラッピングを施していた竹原の渡船第五さんようも両頭船です。

 運行時間は約3分、両頭船で回頭の必要がありませんから船は2点を行ったり来たりするだけです。また人、自転車、車も後ろから乗って前から降りるだけで客室などはありませんから、イメージとしては船は動く歩道のステップみたいな感じです。

 第十五小浦丸は1984年竣工ですから今年で船齢40年になりました。1984年は昭和59年ですから、さびしんぼう上映の昭和60年当時には導入直後の新造船ということになります。

 冒頭も書きました通り2013年の写真ですが、運賃は60円です。自転車と一緒に乗っても70円、100円でジュースも買えない今、まさに地元の足という値段です。

 近年橋が架かり利用者が減ったり、燃料の高騰で廃止を決断された様です。しかしこの地区を代表する渡船でしたので、一つの時代が終わった様な気がします。そして「まだ半年あるので、混雑する前にもう一度乗りに行きたいな」そんな気分になる渡船でした。

 ところで冒頭言及した「さびしんぼう」は大林宣彦監督の尾道三部作と言われた作品のうちの最終作です。尾道の観光にも大きく寄与した作品たちですが、周りに聞いてみますと一番知られているのは「時をかける少女 」かもしれません。


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