HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW 5年使ってみたレビュー

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 早いもので今年の夏で「HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW」が登場してから5年が経ちます。登場時にはその大きさと画質の凄さに「流石スターレンズ!」と驚いたものですが、将来を見据えて作ったレンズだけに5年経った今も満足のいく描写をしてくれています。

 今日は5年使っての感想や作例を紹介していきたいと思います。

■ 凄く素晴らしい画質だけど、重い、大きい

 多くの人が「凄く素晴らしい画質だけど、重い、大きい」と言いますが、このレンズを一番分かりやすい言葉で説明していると思います。やってはいけないことだとは分かっていますが、先日生産完了となった僅か220gの「smc
PENTAX-FA 50mmF1.4」と比較してみるとその大きさが分かるかと思います。

 「HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW」は910g、フィルター径も旧製品が49mmに対し72mmです。フィルムと違いデジタルはセンサーになるべく直角に光が当たる必要があることからどうしても大口径化してしまいます。

 しかし妥協のない作りで、後ほどご紹介する通り画質は素晴らしいものがあります。他社も含め50mmのレンズとしては市場でも最強レベルだと思います。

 レンズ選びの基準ですが、標準レンズと言われるこの焦点距離で画質を求めるならこのレンズ一択となると思います。今一番最高な選択肢と言っても過言ではありません。しかし機動性を求めるなら43mmのLimitedレンズ、臨機応変に対応出来る24-70mmも素晴らしいレンズですから、その辺でどのレンズが一番自分のスタイルに合うかという考え方で良いのではないかと思います。

 レンズ名に★が入っているレンズはPENTAXの中でも特別なレンズです。このレンズもまた次世代のデジタルカメラに対応出来る様な高性能レンズとして開発されましたから、K-1系の本体の能力を余すこと無く伝えられるレンズです。

 しかもこの5年の間に他社はミラーレスに転向しました。一眼レフ機用として発売から5年経った今も、市場では最も新しい一眼レフ用50mm F1.4のレンズなのではないでしょうか。

 あとはレンズの性能で気になるところはAFということになりますが、超音波モーターで静かにそして迅速確実に合焦します。何を撮るかにもよりますが、風景やスナップで不満を感じたことはありません。

 既にこのレンズに限らず、私がK-1を買った2016年以降のレンズでAFに不満のあるレンズはありません。一昔前の「PENTAXのAFは弱い」みたいな、外野の抽象論には惑わされない方が良いと思います。

■ 旧モデルと比較すると差は歴然

1/30、f1.4、ISO800、WBオート、CI人物

 我ながらこの写真1枚でこのレンズの素晴らしさが分かって貰えるのではないかと思っている写真です。真っ暗闇で強い光源が数多く入っているシチュエーションですが、ゴースト、フレアの類いが全く入っていません。また光源周りにフリンジも全く無くありません。

 ほぼ目で見たままの表現ですから逆に「普通に見たままの写真ですが、何が凄いの?」と思われるかもしれません。そこで先程大きさで引き合いに出した「smc PENTAX-FA 50mmF1.4」を使って同条件で撮影してみました。 

 同じ50mmでも多少画角が異なりますので、右側の光源が少し消えかかっています。しかしその右側の光源を受けて左側中央、下部に赤いゴーストが発生しています。右側の一番手前の光源からは紫色のフレアが発生、奥の光源には全てパープルフリンジが発生しています。

 そしてピントは奥側で合わせていますが、ピントの合っていない手前側の表現も新しいレンズでは芯があり、しっかり解像している感じが分かるかと思います。強い光源がある暗闇の中では普通を普通に写すことが非常に難しいのです。

 これをもって古いレンズを悪く言うつもりは全くありませんが、「HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW」はデジタルの特性に合わせ、最近の高画素性能に合わせた設計でしっかりボディの性能を引き立てているのは理解出来ると思います。

■ 作例

1/60、f2.4、ISO280、WB太陽光、CI人物

 ダムの天端で撮影してみました。このドールの身長は約80cmで人間の約1/2です、どうしても寄って撮影しますので、絞りは少し絞ってf2.4で撮影しました。ポートレート用レンズというと85mmf1.4が定番ですが、50mmf1.4でも十分美しい写真が撮影出来ます。

 そして絞りを開けると被写界深度は狭くなりピント合わせが難しくなりますが、中央のクロスセンサーを使用すれば超音波モーターの性能もあり、AF頼りでも静かにしっかり、そして素早く合焦してくれます。

1/500、f1.4、ISO200、WB太陽光、CI雅(MIYABI)

 逆光で葉が輝いている様なシーンは誰でも格好のいい写真が撮影出来る最高のシチュエーションです。こんなシチュエーションでもフレア、ゴーストはほぼ計算に入れなくて良いですから、思いっきり攻めの姿勢で光源を入れたフレーミングが出来ます。

 しかもこの写真は更に強気で開放のF1.4を使っています。24-70も素晴らしく便利なレンズですが、やはり50mm1本で設計しているこのレンズは並べてみるとキレのある写真を吐き出してくれます。

1/45、f2.0、ISO6400、WBオート、CI人物

 K-1本体が高感度に対応していますから夜6時半位の山の中でも絞りを開ければ手持ち撮影が可能です。夕暮れにうっすらと浮かび上がる山の稜線が格好良かったので撮影した写真ですが、通りかかった車のヘッドライトが良いアクセントとなってくれました。

 ヘッドライトが反射した欄干の小さな点光源も綺麗に円形のボケを作っていますから非常に綺麗な写真にまとまっています。

■ 10年以上戦える、高画素世代の高性能単焦点レンズ

 一時期より本体の高画素化も落ち着いてきた感がありますので、この先10年後、本体6000万画素位には対応出来るスペックではないかと思います。描写性能は絶対満足出来るスペックですから、あとは重さ、価格という話になると思います。しかし発売から5年が経過して価格も熟れてきましたので、50mmを多用するなら絶対「買って良かった!」と思えるレンズだと思います。


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