HD PENTAX-D FA★85mmF1.4ED SDM AW 3年使ってみたレビュー

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 本日は発売から約3年が経過した「HD PENTAX-D FA★85mmF1.4ED SDM AW」をレビューしていきたいと思います。先代の「smc PENTAX-FA☆85mm F1.4 ED[IF]」発売から約30年、時間はかかりましたが、スターレンズの名に相応しい素晴らしいレンズに仕上がっており恐らく5000万画素レベルのK-1Ⅲを見据えたレンズだと思います。

■ 描写は別格の美しさだが、大きい、重い

 デジタルの高解像レンズとなるとどうしても大きくなってしまいますが、このレンズも例外ではありません。レンズは10群12枚で重量はフード込みで約1355gとなります。

 またフィルター径も82mmと先代の67mm、10年位前に他社を含めて一般的だった77mmより更に一回り大きくなっています。左がLimitedレンズの77mm、右がD FA50mmです。際立った大きさが理解出来るかと思います。

■ 凹レンズ先行の最新設計レンズ

 光学系で最大の特徴は最前列が凹レンズというこれまでにないレンズ設計になっています。またAFはSDM (超音波モーター)を採用し静かに、素早く、正確に合焦します。また絞りも最新レンズらしく電磁絞りを採用したKAF4マウントとなっています。

■ まずは条件の厳しい夜道の逆光で

1/4、f1.4、ISO400、WB白色蛍光灯、CI人物

 まずは条件の厳しい夜道の逆光、更に開放という最も厳しい条件下でシーンです。85mmで開放というと被写界深度が狭くなりピントの合うのは一点のみとなりますが、AFはご覧の通り安定しており目にしっかりピントが来ています。

 フリンジもボケた髪や光の玉に僅かに発生していますが、フリンジが汚いというレベルでは無いと思います。流石にデジタル高画素時代に出してきたレンズだけに粗が殆どありません。この悪条件下でもスターレンズらしい素晴らしい描写だと思います。

 一点気になるところを挙げるとするとボケた光の玉が真円では無くラグビーボール状になっています。日中でも周辺のボケ部分が円周状に流れますが、周辺のボケ部分が開放で撮影するとクセのある描写となります。

1/2、f2.0、ISO400、WB白色蛍光灯、CI人物

 しかし1段絞ってf2.0にすると光の玉が真円に近くなり、少ないフリンジがほぼ無くなりました。f2.8までは円形絞りが使えますので、背景のボケが暴れたら少し絞ると良い感じになると思います。

■ 作例

 それでは最新の光学設計で作られたレンズの作例を紹介していきたいと思います。ピントは最新のAFでしっかり、そしてクッキリ写ります。髪の毛の1本1本が繊細に描写出来ている解像度の高さも注目です。

 そしてなだらかにそして綺麗にボケていき美しい背景を構成します。開放で撮影してもフリンジも殆どなく、語彙力がありませんがやはり最新レンズは凄いと思う次第です。

1/180、f2.0、ISO200、WB太陽光、CI人物

 一段絞ってf2.0で撮影しています。今回は作例ということでf1.4の写真を多く入れましたが、普段はおまじない的に1~2段絞ってf2.0やf2.8で撮影することが多いです。被写界深度が稼げますのでピントのミスが少なくなる、レンズのクセを抑えられるという職業カメラマン的な安全策です。

1/90、f1.4、ISO280、WB太陽光、CI雅

 まずは紫陽花を開放で撮影してみます。手前の花の一部だけピントが合っていますが、後ろの花は何か分からないレベルまでボケています。フリンジも発生せずなだらかに綺麗にボケますから、こんなシチュエーションではこのレンズならではの開放1.4を積極的に使っていけます。

1/125、f2.8、ISO1100、WB太陽光、CI雅

 2.8まで絞るとボケ部分はこんな感じに変化します。f2.8までは円形絞りが効きますし、中望遠レンズは十分ボケてメリハリの効いた写真になりますから迷ったら勇気を出して絞るのも一つの選択肢です。

1/750、f1.4、ISO200、WBマニュアル、CI人物

 しかし開放にした時ボケ部分が暴れるとこんな感じになります。グルグル回っているようにも見えます。感覚的にバストアップでは発生しませんが、この様に人間を全身で撮影する際開放を使うと発生する確率が高い気がします。この描写を良しとしない時は2.0~2.8まで絞ってあげるとこのグルグルは解消します。

1/90、f1.4、ISO400、WBグレー点、CI人物

 こちらも人形ですが、横顔です。手前の目一点にピンが合いあとはボケていますから瞳が印象的で柔らかい雰囲気に仕上がっていると思います。出来上がった写真を見ると高画素時代のポートレートに最適なレンズと実感します。こんな上半身の写真では先程の写真の様なグルグルは発生しません。

 ポートレート用に85mm F1.4が欲しいという方は多いと思いますが、最新レンズだけに描写性能は別格です。恐らく5000万画素クラスのK-1Ⅲが登場しても遜色ないスペックです。

 汎用性なら24-70ズームをオススメしますが、85mm F1.4が欲しい人は買えば絶対満足のレンズだと思います。


HD PENTAX-D FA★85mmF1.4ED SDM AW(PENTAXストア)
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