HD PENTAX-DA 21mmF3.2AL Limited レビュー

 本サイトの記事にはアフィリエイト広告が含まれますが、記事の内容は中立性を保つ様、細心の注意を払って編集しております。

 パンケーキレンズは機材をコンパクトに纏められるので便利なレンズです。PENTAXのDA Limitedでは21mmと40mmがラインナップされていますが、今回は「HD PENTAX-DA 21mmF3.2AL Limited」をレビューしてみたいと思います。

 焦点距離はフルサイズ換算で31mm程度とちょい広角的な位置づけになりますので、スナップでは使いやすいレンズです(スナップシューターの異名を持つGRは28mm)。アルミ削り出しのクラシカルなデザインはPENTAX機全般にとても似合います。

 Limitedレンズにはアルミ削り出しボディに被せ式キャップという伝統がありますので、このレンズもデジタル専用のDAモデルですが使用は同じです。また革製のレンズ収納用の巾着が付属するのも伝統です。

 このレンズの最短撮影距離は約20cm、結構寄れますので、スナップ以外にもドール撮影時に重宝しています。後ほど作例を紹介しますが、寄れる分かなりアップの写真が撮影可能です。

 付属の専用フード。レンズの前玉がこの奥に来るので、フィルター無しでも安心なので好きな形状のフードです。フィルターは安心の為装着したい反面、どうしても画質が落ちるジレンマがありますが、このレンズは勿論フィルター無しで運用しています。

 AFはボディモータですが、クイックシフトフォーカスなのでMFへの切り替え無しでピントリングを回してピント調整が出来ます。もっともこのパンケーキサイズでレンズ内モーターは無理なので、ボディ内モーターのおかげである小型ボディということが出来ると思います。

 大きさ的にはパンケーキレンズと呼んでも良い厚みですが40mmf2.8の方が更に薄く、比べてみると少し前に出る感じです。APS-C専用で21mmなので焦点距離は換算31mm程度となります。28mmと35mmの中間的イメージになりますので、スナップに重宝するレンズです。

 望遠側を使わない旅行ならコンパクトカメラを持っていく感覚でこのレンズを付けっ放しという使い方も出来ます。K-70、K-3ⅢユーザーでGRⅢを見送った方はこの辺が同等スペックになると思います(但し一眼レフなので大きいですが)。

 しかしPENTAX KPに装着するとめちゃくちゃ格好いいです!!ペンタプリズムの部分が直線でまとめられているPENTAXのカメラならどれでも似合うと思います。

 それではやはりレンズは実際の写りが重要なので幾つかの作例を紹介いたします。

(1/60、f3.2、ISO200、WB昼白色蛍光灯、 C/I人物)

 結構寄って撮影しましたが、これ位アップでも撮影可能です。最短撮影距離が約20cmですから主題に思いっきり寄って、周辺に背景を入れる撮影も可能です。

 顔部分を拡大してみました。開放値3.2というのもありますが、拡大して見るとピントの合っている目や同じ距離の髪部分は開放から結構カリカリに解像してくれています。一方前後のピントの合っていない髪の毛も柔らかいながらも綺麗に1本1本描写されています。

 やはり単焦点、ズームレンズの様な手軽さはありませんが、美しい描写をしてくれます。

 また21mmのレンズはフルサイズ換算で31mmとスナップ写真向きなので、付けっ放しにするとコンパクトカメラのGRシリーズを持ち歩くような感覚で一眼レフを扱うことが出来ます。以下の写真はKP+21mmだけでひたちなか海浜鉄道を訪れた時の写真たちになります。

(1/60、f11、ISO100、WBオート、 C/I里び)

 ローカル線にはこの様な警報装置の無い第四種踏切が数多くありますが、こんな風景もここならではの風景です。少し絞って手前から奥までしっかりピントの合う状態で撮影しました。

(1/750、f6.7、ISO200、WBオート、 C/Iリバーサルフィルム)

 JR東海から来たキハ11が側線に居たので撮影してみました。ズームレンズではありませんのでこの様に少し離れてしまうと列車が小さくなりますが、あとで切りぬけば1100万画素位の画質でアップの写真を残すことも出来ます。GRのクロップと同じ様に考える感じです。

(1/45、f3.2、ISO200、WBオート、 C/I里び)

 車内の窓際で1枚、夕刻なのでだいぶ光が柔らかい感じです。窓から見える遠景のボケが綺麗に円形になっています。ボケの美しさを見ると、時代は変わってデジタルの時代になってもPENTAXの誇るLimitedレンズだなと思います。

 コンパクトなレンズ設計の為、開放でもf3.2ですから、開放で至近距離から撮影しても不自然にボケないのが使いやすい感じです。「Limitedレンズはガンガン開放から使って欲しい」と開発者から言われたことがありますが、無理に数値に拘らず美しい描写を目指したレンズですので、大胆に開放を使えるレンズです。

 小さくて扱い易い、フルサイズ換算31mmと扱い易い焦点距離、PENTAXが誇るLimitedレンズの味を引き継いだ上品な描写とDA Limitedの中でもおススメしたいレンズの1本です。私自身フルサイズ、645は画質優先、APS-Cは機動力優先と棲み分けしていてAPS-C機はズームレンズとのセットで運用することが多いです。しかしこの21mmだけはこれ1本で結構いけますので、APS-C機にこれ1本を装着してお出掛けというのはお気に入りの組み合わせだったりします。


HD PENTAX-DA 21mmF3.2AL Limited(リコーイメージングストアPayPayモール店)
他の取扱店:AmazonYahoo!ショッピング楽天市場

おすすめ