【廃止】新十津川駅

 コロナ禍の影響で5月6日の最終運行が4月17日に繰り上げられてしまった札沼線の末端区間。今回は2019年9月に訪れた時の様子や、2012年の3往復時代に撮影した写真を中心に紹介したいと思います。駅としての役割は終えた新十津川駅ですが、今後は観光拠点としての活用などが考えられているようです。

 この駅は石狩当別発の列車が朝の9:28に到着、折り返し10:00発の石狩当別行きの列車として出発します。この列車こそがこの駅の始発列車であり、最終列車でもあるという1日1往復しか列車が来ない終着駅なのです。

 しかしそんな駅にしては駅舎は立派です。これはかつてこの駅が石狩沼田へ向かう路線の中間駅で、昭和39年の時刻表を見ると1日7往復の列車が発着しており、駅員も常駐して切符の販売や小荷物の取り扱いも行っていた名残です。

 駅舎の中に入るとその様な時代の痕跡を更に見ることが可能です。

 駅名板。色褪せたり、錆が浮いていますが、厳しい冬も含めずっとこの地の玄関口であった証です。

 駅舎の中に入ると待合スペースになっており、今は閉鎖されていますが立派な窓口もあります。これがかつて駅員が常駐、小荷物などを取り扱っていた証です。

 宅配便が普及される前の小包輸送の主役は鉄道輸送が主役で、現在の様に自宅までは来てくれませんから、駅のこの窓口で荷物の授受が行われていました。

 一方切符の取り扱いは左側のガラス窓の場所で行われていました。現在は1日1往復、1年足らずで廃止が決まっている同駅ですが、時を半世紀前に戻せばこの町の玄関口であり、重要な役割を担っていたことが伺い知れます。

 そして時刻表。午前10時に石狩当別へ向かう列車が記載されているだけです。9:28に石狩当別から列車が来てそのまま10:00に折り返して駅の一日が終わります。日本で最も早く最終列車が出発する駅でもありました。

 そして待合室で時を刻むボンボン時計。誰も居ない待合室に佇んでいると聞こえてくるのはこの時計の音だけです。それでは待合室を出てホームの方も見てみましょう。

 ホームの柵は2018年の9月にはありませんでしたので、ラストランを目前に安全の為に設置されたのでしょうか。奥が札幌方です。

 かつては有人駅ということで駅員がホームで安全を確認していた時期もあったと思います。正式には札沼線の終着駅である新十津川駅ですが、駅名標には学園都市線の名があります。「正式名称は~」と言いたくなりますが、札沼線の「沼」はかつての終着駅だった石狩沼田の「沼」ですから、大学が点在している現在では学園都市線の方が実態を表していると言えそうです。

 かつては石狩沼田まで続いていた線路も駅の少し先で行き止まりとなっています。しかし周辺の風景を見て貰えればそこそこ住宅もあり、需要が全く無いというよりは普段使いには不便で使われなかったという感じだと思います。

 たらればの話をしても仕方ないですが、例えば10年位前からLTR化されてこの線路が滝川へ繋がっていたらまた命運も変わっていたのではないでしょうか(新十津川駅から滝川駅は約4kmでした)。

 と車両の無い淋しいホームでたらればの話をしてもアレですので、2012年のまだ3往復あった頃の写真を2枚程ご紹介します。

 これは2012年の夏に撮影した写真です。まだ朝昼晩と一日3往復走っており、まだ何とか生活の中に組み込むことの出来るダイヤでした。それでも利用減に歯止めが効かず、最終的に廃線間際には1日1往復になってしまった訳ですが。

 駅の外に出て駅前から見ると駅舎の奥に単行の気動車が見えます。恐らく駅舎は今後保存されると思いますが、もう駅舎の奥に列車が並ぶ姿を見ることは出来ないのではないでしょうか。

 2012年当時の写真はこちらにも20枚以上掲載していますので、興味のある方はこちらのページもご覧ください(別サイト)。

 ホームと駅舎の空間には地元の方が育てているのでしょうか、コスモスの花が美しく咲いていました。この花たちにとってもこの駅に列車が到着する光景は最後です。

 夕暮れの新十津川駅、そろそろ後にしたいと思います。

■ カメラマン妹尾の機材一言

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PENTAX K-1 Mark II icon(ビックカメラ)
他の取扱店:Yahoo!ショッピングAmazon楽天市場など
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HD PENTAX-D FA 24-70mmF2.8ED SDM WR icon(ビックカメラ)
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 列車の発車時刻が10時、訪れたのが17時頃で普通に考えれば利用者は居ないことになりますが、そこは間もなく廃線になる駅ポツポツと最後の姿を撮影しようとする方が訪れます。

 殆ど無人なので基本ゆっくり撮影出来ますが、そうして他の来訪者が訪れた時は私一人がいつまでもグズグズ撮影するわけにはいきません。そんな時はこの24-70ズームが必要な画角をカバーしてくれますのでサクサク撮影出来ます。また大口径2.8ズームはやや重たい気もしますが、フルサイズならではの高画質も約束されますので基本はこの組み合わせでの撮影が多くを占めます。

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