OLYMPUS OM-D E-M10 レビュー
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本日は2014年に発売となった「OLYMPUS OM-D E-M10 ボディ シルバー」を見ていきたいと思います。クラシカルなデザインはフィルム時代からカメラをやっている者としては「格好いい」の一言ですが、作例も多く入れましたのでマイクロフォーサーズの画質についても検証していきます。
■ クラシカルな見た目が格好いい
オートフォーカスが登場する前のフィルムカメラといった見た目ですが、比較してみると一回り小さいカメラです。このE-M10はOM-10シリーズではエントリー機に位置付けされますが、金属ボディでダイヤルも前後で二つあり、エントリー機という位置付けとは裏腹に手抜きの無いモデルです。
こんな風貌ですが、ペンタ部には内蔵ストロボも付いていますので、ズーム1本装着すれば荷物を少なくしたい旅行や登山、サイクリングでも重宝しそうなカメラです。
背面液晶はチルト式になっておりハイアングル、ローアングルの撮影にも便利です。ファインダーは液晶式でファインダーの無いものがPEN、ファインダー付きがOM-Dといった位置付けになっている様です。
操作感はほぼ他社を含めた一眼カメラ標準の感じですが、PENTAX使いからするとISO感度やホワイトバランス、仕上がり設定がメニュー画面から奥の階層に入って変更しなければならないので、そこに面倒さを感じました。
PENTAXを除く他社も似た様な感じだと思いますので、やはりISO感度やホワイトバランス、仕上がり設定が横の十字キーですぐに設定を変えられるPENTAXが特殊ということなのでしょう。
一方スマホとの連携ソフトは1年で格段に進歩しました、本当に使いやすくなりました。WIFIで接続した時に時刻も同期してくれるのは地味ですが便利です。またRAW現像ソフトもOM Workspaceになり格段に良くなりました。
Nikon、Pentax、OM SYSTEMの三社では一番良いと思います。とにかくソフトはOM SYSTEMになり格段に良くなったと思います。
■ 一番の長所は圧倒的小ささ、機動力は◎
PENTAX KFと比較してみました。エントリー機に標準キットズームという互角の仕様にしてみましたが、ミラーレスの分一周り小さいです。更にセンサーがフォーサーズで更に一回り小さくなりますので、全体として二周り位小さく見えます。
先日Nikon Z8を店頭で見てK-1と比較すると、ミラーレスとはいえ羨ましくなるほどは小さくはないという印象でした。しかしフォーサーズのこのサイズ差なら自転車、登山など自分の体力だけが頼りの時、絶対に有利だと思います。
■ ドール向きカメラ?
そして余談ですが、4/3サイズのカメラは一般的なAPS-C、フルサイズのカメラと比べて小さいので乙姫やソフビシスターズのカメラに丁度良い大きさです。ドール者なので、ここは強く推しておきます。
また作例のところでもお話しますが、ピントの合う範囲が小さなドール向きというのもあります。ドール撮影人口も増えてきましたので、マイクロフォーサーズはドール撮影向きカメラという点を訴求しても良いのではないかと思います。
■ センサーサイズが110カメラのフィルムと同じ
また急にOM-SYSTEMのレビューを始めて「PENTAX止めるの!?」と心配する方も居るかもしれませんが、それは全く違います。このカメラはかなり前にPENTAX AUTO110のレンズを装着する為に購入したものです。
マイクロフォーサーズが17.3mm×13mm、110フィルムが17mm×13mmとほぼ同じなので、下のレンズアダプターを付ければデジタル110カメラとして使えます。買ったのは数年前でしたが、折角なのでレビューしてみようという訳です。
Pixco レンズアダプター ペンタックス110ウントレンズ-マイクロ4 3カメラボディー
それでは色々と作例を色々とご紹介していきたいと思います。
■ 作例を色々
1/1000、f3.5、ISO200、WBオート、Portrait、14mm
フォーサーズの特徴としてセンサーサイズが小さいのでボケにくいということがあります。これは事実で思いっきりボケて欲しい時は欠点となりますが、小さなドールを背景を入れて記念写真を撮影しようとするとフルサイズでは逆にボケ過ぎてしまいます。
勿論絞り込めば被写界深度は深くなるのですが、絞り込み過ぎると今度は解析ボケが発生します。フォーサーズでしたら開放でもこれ位背景が描写されてくれますので「こんな場所で撮影した」みたいな写真の場合は「ボケにくい」もメリットとなります。
逆光下での条件が悪い場所での撮影ですが、キットズーム広角端での描写はこんな感じです。しいて欠点を挙げるとすると奥側の木々が密集したところがAPS-Cで撮影したものはもう少し表現が繊細で、空との境界ももう少し自然な感じでした。ピントの合っている部分は互角ですが、ピントの合っていない所で少し差異が見られました。
1/2000、f4、ISO200、WBオート、Natural、14mm
青空が綺麗だったので撮影した写真です。建物側の影側も結構粘ってくれて黒潰れしていません。
1/80、f8、ISO200、WBオート、Portrait、14mm
展望スペースから門を入れて撮影。先程も書きましたが、「小さなドールやフィギュアを撮影をこんな場所で撮影した」という写真には、ボケ方が自然で良いフォーマットです。
昔の記憶でセンサーサイズが小さいカメラだと髪の毛の描写が潰れたので、上の写真を拡大してみました。クリックで拡大した画像がピクセル等倍です。しかし高画素化されたこともありピントの合っている部分では全く問題なし、ピントの合っていない襟足部分がやや面になっている感じですが、これ位なら私的には合格です。
1/320、f8、ISO200、WBオート、Natural、42mm
この駅は同時進入なので右側の上り線は右の安全側線側に進路が開通しています。
1/500、f8、ISO200、WBオート、Natural、21mm
オリンパスは青が綺麗に表現され、「オリンパスブルー」なんて呼ばれていますので青空を入れた写真などはやはり映えます。
1/125、f5.6、ISO200、WBオート、Flat、40mm
小さな花を最短撮影距離近くで撮影してみます。ズームレンズで開放F値が5.6、フルサイズ換算で11位ですから絞り込まなくてもピントの合う範囲は丁度良さそうです。花弁の産毛みたいなものまでしっかり写っていますので、十分な描写力だと思います。
1/160、f5.6、ISO200、WBオート、Natural、42mm
右の高い茎にピントを合わせました。トロトロに背景が見えなくなる程のボケは難しいですが、奥行きを感じる位のボケは発生しました。APS-Cと比較して約1段、フルサイズと比較して約2段位絞った感じになってしまいますから、開放値F5.6のズームレンズですとフルサイズのF11相当です。
1/15、f5.6、ISO6400、WBオート、Vivid、42mm
最後は夜景です。ISO6400でこんな感じです。既に発売から9年以上が過ぎていますから、最新の機種と比べるとノイズは多い印象です。しかしISO6400、手持ちでこの写真を残せるのは大きいと思います。今回は高感度試験ということで1/15で切りましたが、1/8、1/4で切れればもっとISO感度が低くなりますので、ノイズも少なくなります。
元々は110フィルムカメラのレンズを使用する為に購入しましたが、改めて使用してみると「クラシックな見た目とは裏腹に高性能」といった感じのカメラで、私的には思っていた以上に高評価な一台です。
大きさゆえの機動性が一番の武器ですから、そうしたシーンではもっと活躍させて良いのかなとも思いました。フルサイズのレフ機なら億劫になるシーンでもこの小ささなら持って行けます。
一方腰を据えて撮影するシーンではやはりセンサーサイズが大きなカメラを使いたいのでこの辺は使い訳になると思いますが、機動性に優れるカメラという立ち位置がしっかりしている分、そこでは最大限の能力を発揮しそうです。
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